「墓場まで持っていかないと、こうなる」 青森・七戸町の死体遺棄事件 容器の中身、事前説明か
4月、青森県七戸町の土中からプラスチック製容器に入れられた状態で同町の谷名幸児さん=当時(54)=が遺体で見つかった事件で、死体遺棄罪などに問われた六戸町小松ケ丘1丁目、無職の被告(55)の第6回公判が20日、青森地裁(藏本匡成裁判官)であった。検察側は、被告が遺棄前日に共犯の被告=傷害致死罪などで起訴=から容器を示され「被害者はこの中にいる。このことは墓場まで持っていかないと、こういうふうになる」と説明を受けていたと明らかにした。 被告は死体遺棄について否認、無罪を主張している。前回公判で争点が(1)被告の行為の故意性(2)共犯者らとの共謀関係が成立するか-に決まり、この日は争点に対する検察側の冒頭陳述を行った。 冒頭陳述で被告は遺棄前日の1月9日、共犯の被告が経営する会社の土場に設置されたコンテナ内で容器を見せられた-と説明。共犯の被告は中身を見せなかったが、容器をたたいたり揺さぶったりしても反応はなかったことから「被告は被害者が死亡したことを認識していた」と指摘した。 翌10日には共犯の被告から「谷名が入った容器を積んで持ってこい」と指示され、共犯者とともに町内の土場までトラックで運搬した点を挙げ、「共犯者との間で意思の連絡が認められる」とし、「共謀を推認させる」と訴えた。 これまでの公判で弁護側は、谷名さんが死亡し、容器に入れられていたことなどを被告は知らなかったと主張。共犯の被告から容器内の説明もされておらず、「運搬時も遺体が積まれている認識はなかった」としている。 死体遺棄罪の起訴内容は、1月10日ごろ、被告は共犯の被告らと共謀し、谷名さんを入れた容器を七戸町森ケ沢の土場から同町猪ノ鼻の土場までトラックで運搬、重機で土中に埋めたとされる。