いつか絶対訪れたい!20世紀最後の巨匠建築家、ルイス・カーンの代表作8選。実際に見られる建築&映画の紹介も
ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトと共に、近代建築の巨匠として今なお畏敬を集め続けるルイス・カーン。 【写真集】圧倒的な存在感と力強さ。知っておきたい偉大な建築家の作品を写真でチェック! その独創的な作品を見学できる場所と、カーンの人となりに触れることができる映画作品をご紹介します。
ルイス・カーンとは?
ルイス・カーン(1901-1974)は、エストニア生まれのアメリカ人建築家。都市計画家でもあり、主にアメリカにおいて住宅や公共施設の傑作の数々を生み出しました。第二次世界大戦後の世界の建築に大きな影響をもたらし“20世紀最後の巨匠”と称される、建築のカリスマです。 「素材はその本性に沿ってのみ扱われるべき」という信念をもち、打ち放しコンクリートやガラスなどの素材の質感をそのまま活かした彫塑的な表現が特徴的。構造・意匠・素材を高度に必然的に融合させながら詩的な精神性を備えた建築は、神聖な存在感を放ち続けています。 イエール大学やペンシルべニア大学で晩年まで教鞭を執り、その哲学的で深淵な建築論でも敬愛されてきたカーン。育てた多くの弟子のなかにはレンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャース、ノーマン・フォスターらがおり、日本からは香山壽夫、新居千秋がカーンの下で学びました。
1 ソーク研究所/アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ
ソーク研究所は、ポリオワクチンを開発したジョナス・ソーク博士によって創設された生物医学研究所。アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郊外の、太平洋を望む断崖にあります。ソーク博士がルイス・カーンに「芸術家のピカソを招いてもいいような研究所を」と依頼したと伝えられるこの建物は、1966年に完成しました。 果てしない空と海に向かってシンメトリーにそびえる建物は、美しく荘厳な佇まい。数多くのノーベル賞受賞者を輩出してきた点からも、カーンのデザインした環境が研究者たちにクリエイティブなインスピレーションをもたらしてきたことが想像されます。
2 キンベル美術館/アメリカ・テキサス州フォートワース
キンベル美術館は古代美術と19世紀美術の小美術館。1972年、美術収集家であるケイ・キンベル夫妻のコレクションを元に設立されました。 ヴォールト屋根をもつコンクリートの細長いユニットが整然と並ぶ外観。内部では、屋根の頂部のスリットから差し込む自然光がアルミの反射板に当たって天井を輝かせ、柔らかな間接照明として空間を明るく包んでいます。天候や時間帯によって変化する光と空間の表情は、その場でしか体験することができません。