「ビキニは女性美の究極体」バズーカ岡田躍進の裏で誕生したプロビキニアスリート
環境を変えたことで新たな水を得たその花は、大きく咲くチャンスを得る。 2022年のANNBBF全日本ボディビルディング選手権で優勝。その年のWNBF世界選手権は予選落ちに終わるも、2023年は全日本を連覇。世界の舞台でも、上述の通りマスターズクラスのアマチュア戦及びプロ戦を制した。 いち大阪の保育士が、4年で世界で戦うプロビキニ選手に。信じられないシンデレラストーリーである。
他人軸ではなく自分軸で人生を歩む
とんとん拍子に進んだストーリーに見えるが、当然、常に右肩上がりで進んできたわけではない。 「大会出場して2、3年目は下から数えたほうが早いくらいに順位が落ちました。原因は明確で、その頃に長くお付き合いしていた方と別れたんです。もうメンタルもボロボロで、どんどん絞れなくなってしまって。やっぱり、そういうのは体に素直に影響が出るんだと実感しました」 ただ、そこで落ちていかないのが彼女の強さであり、いまこうして世界で戦えるビキニアスリートになった所以である。心身の変化を受け入れつつ、高みへ導くための気づきへと昇華させていった。
「今まで、他人を軸にした人生を歩んでいたんだと気づいたんです。この人ありきの私だなって。それよりは、自分を軸にして人生を考えようと。自分が好きなことをして、とにかく楽しくがんばる。それが私にとってはトレーニングだったので、そういう方向に意識や考え方を変えていったことにより、もう全部が楽しくなっていきました。人に振り回されないように、自分のメンタルが強くなったきっかけになりました」 そんな彼女のことを、所属団体の理事として見てきた井上氏も「ザ・アスリートの思考を持っている」と評する。 「真面目でストイックですよ。私自身はトレーナーとしてさまざまなスポーツのアスリートをみていますが、彼女の腹のくくり方はまさに彼らと同じ。ボディメイクは競技でありつつもファッション的な要素もあるので、スポーツ選手のような考え方で取り組める選手ばかりではないと思いますから。ボディコンテストに出る選手を多く見てきましたが、一番プロ意識が高い選手だと思います」(井上氏)