【ONE PIECE考察】ついに到着したエルバフ、なぜ長居してはならない? 規格外の島の謎とは
※本記事は『ONE PIECE』最新話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。 【写真】誰も見たことがない『ONE PIECE』展覧会 140メートルの壁一面に1110話分の漫画が展示されている様子 『ONE PIECE』の世界にて、麦わらの一味が上陸したエルバフ島・ウォーランド王国。リトルガーデンから序章が紡がれてきたエルバフ上陸への物語が、ついに幕を開けたことで大きな話題となった。 開始して間もないエルバフ編だが、すでに新情報と気になるポイントのオンパレード。そこで今回は、エルバフで明かされた衝撃の事実について、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞く。 「まずファンとしては、ついにエルバフに上陸したという事実に感動しましたよね。やはりサイズ感は規格外で、ルフィのような普通の人間はもはや点でした。ルイ・アーノートが『“巨大”とは感動である』と表現していましたが、読者も本当にその通りの衝撃を受けたのではと思います。 エルバフについてわかっていることはあまり多くないんですけど、北欧神話をモデルにしていることは間違いなさそうですよね。ロキやゲルズの名前もそうですし、天界・陽界・冥界という三層の区分分けも、北欧神話の世界そのままです。そう考えると、これからのストーリーや新事実の発覚も、北欧神話に関係するものがリンクしてくる可能性もあるのかなと思います」 驚いたのは、麦わらの一味を次なる島へと運ぶサニー号の素材となった、大樹の登場だと神木氏は続ける。 「特に衝撃だったのは、エルバフ・ウォーランド王国そのものである大木が、“宝樹アダム”だったことです。宝樹アダムの名前や荘厳さは作中で語られていましたが、その所在地などは謎に包まれていました。その1本が、以前からシルエットでは描かれていたエルバフの大木だったことにびっくりしましたよね。 宝樹アダムは、闇ルートで2億ベリーの値がつく代物です。ルフィたちは空島で黄金をゲットし、3億ベリーに換金したこともありました。宝樹アダムの場合、2億に相当するサウザンドサニー号に必要な木なんて小枝くらいだと思うんです。高値がつく超巨木なので、もっと狙われてしまい、量が出回ってもおかしくないはず。そうならないのは、やはりエルバフの戦士の屈強さを表しているのでしょう」 『ONE PIECE』が描くファンタジー世界は、いつでも読者を魅了してきた。 「『ONE PIECE』で新しい土地に上陸した際、ダイアルや水上移動など、新たな文化が描かれる場合があります。エルバフでも、『太陽石(ペインター)』という新しい文化が登場しました。太陽石で描いた虹を船で渡るシーンは、『これぞ冒険漫画!』と非常にワクワクしましたよね。太陽石の存在は、エルバフの太陽信仰を表す1つの要素だと思います。太陽神を名乗る人物が要所要所で現れたり、区分に陽界があったりと、やはりエルバフと太陽には深い繋がりがありそうです」 エルバフでの冒険開始にワクワクする麦わらの一味だが、本格的な入国を果たした第1132話は不穏な言葉で締めくくられていた。 「エルバフに上陸した麦わらの一味ですが、気になるのはルイ・アーノートの言葉です。彼はエルバフについて、『この地に長居してはならない』という忠告を残しています。ルフィのエルバフでの冒険は、戦士たちから歓迎されていることもありすごく順調だと思います。では、ルイ・アーノートが忠告をした理由は何なのか。読者の間では、『住民の寿命が長いエルバフでは時間の流れが違う』もしくは『滞在者も巨大になってしまう』という説があるんです。 ただ、マザー・カルメルがウォーランドに長く滞在していたので、いるだけで大きな影響を受けるとは考えづらいでしょう。やはりエルバフには何か抱えている問題があり、長く滞在すると問題に巻き込まれてしまうのではないでしょうか。 不気味なのは、いまだに1度も描かれていない『天界』の存在ですよね。エルバフを俯瞰で見ると大木に巨大な剣が刺さっており、その使い手がいる可能性もあります。通常の巨人族よりも大きい、古代巨人族の存在も気になるところ。『ONE PIECE』の世界では、“上”に住む存在が悪の元凶なんてこともあります。“長居してはならない理由”が何にしても、ルフィたちが大事件に巻き込まれる気がしてなりません」 麦わらの一味を迎え歓迎ムードに包まれるエルバフだが、やはりルイ・アーノートの言葉は無視できない。順調な上陸とは裏腹に少しの不安を募らせながら、ルフィの冒険を見守りたい。
青木圭介