1960年代の横浜港、高度成長期の熱気 “お宝”記録映画をネット公開
1960年代初頭の横浜港周辺を撮影した記録映画が、動画投稿サイト「YouTube」で公開されている。発掘したのは東京光音取締役所長の松信秀明さん(57)=東京都日野市=と東大学術専門員の山内隆治さん(63)=神奈川県鎌倉市。モノクロ映像からは、高度経済成長期に伴って変化するミナトの熱気が伝わってくる。 【写真】記録映画の保存・分析に取り組む山内さんと松信さん 2人が運営するチャンネル「記録映画 お宝発掘プロジェクト」で閲覧できるのは、61(昭和36)年に公開された記録映画「日本発見 神奈川県 横浜港」だ。 4分35秒のモノクロ映像は「天然の良港に恵まれた横浜は、東京の海の玄関として急速に発展していったのです」とのナレーションで始まる。 港や海峡などで船舶を安全に誘導する水先案内人(パイロット)が外国の貨物船に乗り込んで指揮を執る様子や、客船から下りてきた外国人観光客らでごった返す大桟橋のにぎわい、多くの貨物船が停泊する横浜港の盛況ぶりなどが記録されている。 高度経済成長を迎え、昼夜を問わずに行われた沖荷役作業も収録。作業員の威勢良い声とともに、ナレーションで「港は不眠不休です。貿易はますます活発になっていきます。それに応じて、船の数も増えていきます」などと説明する。 2人は記録映画を紹介する動画にも、山内さんが「記録映画ミステリーハンター」、松信さんが「必殺! フィルム仕事人」として出演。水先案内人の役割、入港する6割の船が月末の数日に集中する「月末集中配船」と呼ばれる現象が起きた理由、客船の見送りでよく見かける「紙テープ投げ」の発祥などについて、掛け合いながら分かりやすく解説している。
神奈川新聞社