お参りに来てニャン 猫の「宮司見習い」が出迎え、和歌山県みなべの鹿島神社
多くの人にお参りに来てほしいニャン―。和歌山県みなべ町埴田の鹿島神社で、2匹の猫の「宮司見習い」が、にゃんともかわいいしぐさで参拝に訪れた人々を出迎えている。2匹に会うために参拝者が増えるなど、今やすっかり神社の人気者になっている。 【「宮司見習い」の猫の動画はこちら】 2匹は幸福にちなんだ「幸」ちゃん(雄の黒猫)と、大吉から1文字とった「大」ちゃん(雄の灰色の猫)。亀井隆行宮司(51)が名付けた。 幸ちゃんは昨年7月、交通事故に遭ったのか、右目を失い顔面に大けがを負った状態で本殿の廊下の下にうずくまっていたところを、神社に手伝いに来ている女性が見つけた。亀井宮司の妻が動物病院に連れていき、治療を終えた後も神社で引き取った。少しずつ人慣れし、3カ月ほどたった10月ごろから社務所で参拝者を出迎えるようになった。 大ちゃんは神社の周辺に居着いていた猫で、今年5月に幸ちゃんが神社に連れてきた。そのまま「宮司見習い2号」として、神社で暮らすようになった。 2匹は仲が良く、日がな一日、社務所の周辺でのんびり過ごしている。1日4回、キャットフードを食べ、おやつももらっている。頭や喉をなでられると気持ちよさそうな表情を浮かべ、ゴロゴロ喉を鳴らすことも。 特に参拝者の多い毎月1日や祭りの日には、神社の法被を着て「仕事」にいそしんでいる。 2匹は参拝者や近所の人たちにも評判で、幸ちゃんと大ちゃんの「おこづかい箱」を作ってくれたり、おやつを持ってきてくれたりする人もいる。 毎月1日と15日に参拝するという同町芝の女性(67)は「幸ちゃんと大ちゃんに会えるのが楽しみ」と笑顔で話し、神社の関係者に一声かけてから、持参したおやつをあげていた。 亀井宮司は「これからも元気に、参拝の方をお出迎えしてほしい」と目を細めた。
紀伊民報