サザエさんと競馬は「永遠」日刊スポーツの大先輩コラムニスト!加藤みどりさんに理事長特別表彰
有馬記念フェスティバル第2部のレセプションパーティーにて、国民的アニメ「サザエさん」でフグ田サザエ役を演じる声優、加藤みどりさん(85)がJRA理事長特別賞を受賞しました。 【写真】長澤まさみ、見上愛らと記念撮影する加藤みどりさん 壇上で加藤さんは「50年前の競馬はだいぶ世界から遅れていました。それでもって、みんなで追いつけ、追い越せということで、50年たったら世界の競馬になっていました。私も毎日、とにかくおもしろいレースを見ることがタダでできました。そういう意味では競馬というものはすごいものだと思います。サザエさんの番組は7000回、8000回とやりましたが、ひとつとして同じ作品がないんです。それと同じように競馬もひとつとして同じレースがありません。これがずーっと永遠に続くということが、これから競馬をやる人ももちろん、サザエさんと一緒にどうぞよろしくお願いいたします」と謝意を伝えました。 加藤さんは71年より日刊スポーツで競馬コラム「みどりの単複」を執筆しています。記者にとって、日刊スポーツの競馬面でご活躍されていた大先輩のコラムニストです。74年には2番人気タニノチカラを本命に選択。コラムには、「みどりは五歳馬(現4歳)を切り捨てます。もちろん、力不足? と判断したからです。そこで、単複は六歳馬のタニノチカラ。自在性はあるし、底力はやはり抜けていますワ。」と記していました。結果は見事に1着。タニノチカラはタケホープ、ハイセイコーなどを破り、見事に勝利しました。 パソコンなどない時代。当時の原稿は自筆で原稿用紙に書き起こしていたそうです。加藤さんは「長くやらせていただきましたのよ。単複でしてね。原稿の書き方、日刊スポーツの山岡(孝安)さん(元記者)に教わりました。懐かしいですねえ」と思い出に浸っていました。 ご主人を3年前に亡くしてからは、競馬観戦の機会が減ったそうです。「まだ主人のことが吹っ切れていないものでして。思い出すのも嫌な時期もありました」とおっしゃっていましたが、今年も有馬記念は観戦する予定とのこと。加藤さんは「まさかこんなところに声をかけてくださるなんて」と感激の面持ちでした。 ひとつとして同じ作品がなく、ひとつとして同じレースはない。深くうなずかされる大先輩の言葉でした。【松田直樹】