インタビュー鈴木宗男氏に聞く(全文3完)安倍首相は「歴史を作ってほしい」
日本人が島に出て行って仕事をできる枠組みを
――その中で、現実的な経済協力は、どのような形で進めていくのか、方法はありますか。 「日本政府は島を訪ねることも止めているんです。だからいま島に行けるのはビザなし訪問、いわゆる北方領土返還運動関係者のビザなし訪問、元島民のいわゆる自由訪問、それと元島民の墓参しかないです。それを、いま飛行機もなければ船の航路もないんですから、ここは何とか、元島民の方が自由に行けるような環境にしてやればいいと思うんです。」 「あるいは日本人が、島に出て行って仕事をする。それはスーパーマーケットもいいでしょう。なんでもいいんです。建設工事もいいでしょう。日本の技術を生かすことですね。そういった枠組みを作ることが、いま必要でないかと思っています。」 ――ビザなし訪問など北方4島訪問の写真をみせていただくと、2世3世、若い方の姿が目立つようになってきていますね。 「そうですね。お年寄りも、行きたくても行けないっていう方もいますね。いちいち船に乗っていくんですから、大変です。だからここは、人道的にも大きな決断を、安倍首相にはしていただきたいし、してくれるものだという、願いと、希望と、何よりも歴史を作っていただきたい、とこう思っていますね。」
11月の首脳会談 12月来日に向けて「安倍首相は具体的カードを発する」
――11月もAPECで首脳会談が予定されています。12月の日本での首脳会談に向けて、詰められていく部分は。 「11月19、20日のリマにおけるAPECでも日ロ首脳会談が決まっていますから、ここでやっぱり、安倍首相は、日本はこういう考えだ、ぜひとも大統領受け入れていただきたい、12月には返事をいただきたい、というなにがしかの具体的な話、カードを、プーチン大統領に向けて、発するものだと思っています。」 ――やはり期日や具体的な文言、そういうものを示していくということが外交の中では大切になってくるということですか。 「首脳会談、トップ会談ですから、大きな枠組みを決める。テクニカルな、法的な潜在主権とか、施政権とか、いわゆる技術的なことは、外務省の専門家に任せればいい。そう思っています。安倍首相にはやっぱり大きな枠、これでいくんだということで、プーチン大統領の同意を取り付ける。あとは技術的なことは専門家に任せる、それでいいと思っています。」