インタビュー鈴木宗男氏に聞く(全文3完)安倍首相は「歴史を作ってほしい」
北方領土でロシア化進む 早く解決しないと日本の出る幕はない
――人道面で言いますと、元島民の皆さんの平均年齢は82歳、時間的な猶予がない問題です。今までに鈴木代表は、4島にどのくらいの回数行ったのでしょうか。 「ことしは5月に色丹島の方に行ってきました。9月には国後・択捉にも行ってきました。去年も国後・択捉、毎年行っております。毎年行ってつくづく感じるのは、島のロシア化が進んでいるということです。南クリル発展計画、あるいはクリル発展計画で、モスクワから間違いなく予算が来て、インフラはじめ、住民のいわゆる生活環境が、著しく改善されております。」 「この流れが5年10年続いたら、もう、日本は出る幕ないですね。私は早く、北方領土問題解決して、やはり日本の持っている技術をもっともっと島で生かす。こうすることによって島の皆さん方も、日本に対する理解が深まる、と思っています。」 ――4島交流などの北方4島交流事業は、今住んでいるロシアの住民との間で信頼感醸成という意味があるかと思います。今回の動きはロシアの現地に住んでいる住民の方からは、どういう反応があったのでしょうか。 「結論は、大統領の決定には従う。これが島民の皆さん方の考えです。合わせて、大統領は間違ってもこの島を譲ることはないだろう、という思いを持っております。日本人と一緒に暮らしてもいいという人もいます。ただ色丹や国後はそうですけども、択捉へ行くと、ここはわれわれの固有の土地だというぐらい強い気持ちを持っている。」 「ギドロストロイという会社があるんです。これは水産加工、建設、土木工事からすべてに、進出しています。このギドロストロイの水産加工場に行くと、クリルは我々の土地ですという、看板かけてますね。港にもそういう看板がかかっています。この島は我々の土地だ、という看板は至る所にありますね。択捉の住民感情はなかなか厳しい。これが現実です。もうわれわれのもので、どこにも、日本に行くものでもなければ、引き渡されるものでもないという、非常に強い反応がありますね。」