米小売り決算、年末商戦とトランプ関税の影響が焦点-消費の行方占う
(ブルームバーグ): 米個人消費の行方を占う上で、株式市場は向こう数日に発表される小売り各社の決算に注目している。重要な年末商戦の見通しに加え、トランプ次期大統領が掲げている関税の影響についても質問が相次ぎそうだ。
19日のウォルマートに続き、ターゲットや安売り衣料品店「TJマックス」を運営するTJXなど小売り各社が相次ぎ決算を発表する。
個人消費は米経済の3分の2を占めており、投資家にとって各社の見通しは極めて重要だ。現四半期は例年、小売業者にとって最も好調な時期で、ネガティブサプライズとなれば、株買いにブレーキがかかる可能性がある。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米SPDRビジネスのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「これらの企業が個人消費の健全な姿を引き続き示せるかどうかは、投資家心理に大きな影響を与える」と指摘。「消費は今後も上振れする可能性が高く、そのデータは相場にとって強気なサインであり続けるだろう」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の分析によると、今年の年末商戦は、売上高が2018年以来の低い伸びになると予想されている。今年は、感謝祭からクリスマスまでのホリデー商戦期間が前年と比べて5日少ない。
一方、トランプ氏の関税政策は、小売り株にとって新たなリスクとなる。コンサルティング会社トレード・パートナーシップ・ワールドワイドが実施した調査によると、トランプ氏の関税計画は、アパレル、玩具、家具、家電、靴、旅行用品など、6つの主要カテゴリーに影響を与える見通しだ。調査リポートでは、提案されている関税が同6項目に発動されるだけで、米国民の購買力は年間最大で780億ドル(約12兆700億円)低下すると指摘されている。
原題:Holiday Outlooks Due From Major Retailers in Test of US Consumer(抜粋)
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Katrina Compoli