小島秀夫、ヤマザキマリ、染谷将太らが『箱男』を絶賛! 令和の今こそ刺さる理由とは?
■【コメント全文】 ※敬称略・順不同
・小島秀夫(ゲームクリエイター) 子供の頃に「箱男」を読んでから、ずっと“箱”の中から大人の世界を覗いてきた気がする。 僕に最も影響を与えた安部公房の小説を、僕が最も憧れた石井監督が映像化した本作によって、やっと“箱”から出られた気がした。“箱”が上梓された“昭和”よりも、“令和”の時代にこそ強いメタファーを感じるからだ。 SNSという「箱」から抜け出せないあなた。ホンモノの「箱男」になるのか? 「箱男」からの脱皮を謀るか?映画をその眼で覗いてから、決断すべし。 ・ヤマザキマリ(漫画家・文筆家・画家) 箱男の箱は、匿名という自由であり、自由という孤高を選んだ自分を疎む社会に対し、攻撃性を生む装置でもある。この小説がこの時代に映像化された意味は深い。 ・染谷将太(俳優) ドイツで『箱男』の撮影初日に急遽中止になってしまった話は、石井監督と出会う前から伝説の話として様々な映画人から聞いてきました。その伝説がついに終わる日がやって来て、これからは作品としての伝説がまた始まる事に鳥肌が爆立ちです。敬愛するかっこいい大先輩方の冷徹に狂い暴れる様に脱帽です。石井監督は永遠に走り続ける。 ・永野(お笑い芸人) なんだこの映画は!?ホームレスか?いや、俺たちだ! それをずっと前から安部公房先生は分かっていたのか!? 石井岳龍監督は常に攻撃的だ!カオスの使い手だ!リスペクト!! ・ダブルブッキング 川元文太(お笑い芸人/元箱男) 私は、24年前、電波少年という番組の企画で箱に入っていました。 自ら箱に入った箱男と箱に入れられた私とでは少し違いますが、この作品の箱男と似たような体験もいくつかしました。 箱の中が臭かったり、箱の中にいることで人を見下したり、覗いているというちょっとした興奮だったり、攻撃してくる奴がいたりと懐かしい気持ちになりました。それから、箱の中から接する相手は、普段普通に接するよりも、相手をよく見て知ろうとするという事も思い出しました。 当時、原作を箱の中で読んだのですが、若さと頭の悪さで、あまり理解できませんでした。今でも理解できていない部分も多いと思いますが、あの原作の雰囲気を映画で表現した監督さんや俳優さん達は素晴らしいと思います。観た人はこの映画を変態とか頭がおかしい、で片付けて欲しくないです。それこそ頭がおかしいと思います。電波少年の箱男は最低でしたが、映画「箱男」は最高でした!(笑)(私が最低なのではなく電波少年側が最低という意味です!) ・ISO(ライター) 映画という「見る」メディアを通じて、匿名で「見られる」ことの暴力性を探求するハードボイルド箱ドラマ。自分も気付かぬうちに、箱(=ネット)から他者を一方的に見る中毒性に蝕まれてはいないか、と問われている気がした。