実は最強のアンチエイジング!?「ぐっすり眠る」ために避けるべき〝やってしまいがちなあの習慣〟
お金をかけなくても健康になれる
言うまでもないが、人生の4分の1は「睡眠時間」が占めている。この時間が脳や身体、メンタルの健康維持に直結することは論をまたない。残業し、夜ご飯を食べる時間がズレ、お酒を飲んで、入眠直前までスマホを手放せない──。睡眠時間を削っているな、と理解しつつも、どこから改善したらいいのだろうか。 【ぐっすり眠るために】えっ、これだけで?…体を「眠りモード」にする方法 8月21日に刊行された『働く女子のための睡眠革命』の著者・角谷リョウ氏はこれまでに14 万人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。同書では、家庭でも職場でも忙しく、睡眠時間を削りがちな現代女性が人生をうまく回すためには「ぐっすり眠ること」こそを優先すべきだと説く。そして、そのためにはセロトニンを出すことが必要だとして「3つのステップ」を紹介している。では、情報過多な社会でストレスに潰されそうなおじさんの睡眠対策についてはどうするべきなのだろうか。聞いてみた。 「健康であるために食事、睡眠、運動の3つが重要です。食事に関しては有機野菜やサプリメントなど良質なものを食べようと思うとお金かかる。運動も自分でできますが、ジムに通えば会費がかかる。そんな中、睡眠はほぼお金をかけずに改善できます。カーテンが遮光カーテンでなければそれに買い替える。天井が明るいと良くないので、目に優しいLED電球に買い替える。まずはその2つで十分なので数千円の投資で済みます。 なぜか睡眠は運動や食事に比べて関心が払われていませんが、深い睡眠をとっている間に肉体の疲労を取り除き、メンタルも回復しますし、脳も整理します。睡眠こそ、お金をかけずにできる健康になれる最強のツールなのです」(角谷氏。以下のコメントもすべて) 深い睡眠をとるための環境作りは大切だ。遮光カーテンやLEDライトに替えることはすでに述べた。スマホの充電は明かりが漏れるために頭上近くではなく足元に移す。意外なことに、高い布団やマットレスは必要ない、という。 ◆アダルト動画は「罪悪感を持って見ない」 「お金にゆとりがあるなら数十万の高価なマットレスもあるに越したことはないですが、ホームセンターの『ニトリ』の高価格帯(数万~10万円ほど)の布団やマットレスで十分です。高価なものを何年も使い続けるのではなく、使っていく間に身体が床に接着するように感じるヘタリを感じてきたら買い替えましょう。いま使用している布団が10年以上経過しているなら買い替えたほうがいい」 情報過多の現代社会では、おじさんに限らず、眠る直前までスマホを見てしまう人も多かろう。スマホのブルーライトはたかが知れているので気にしなくてもいい、としてこう続ける。 「現代人にスマホを見るな、というのが無理な話で、何を見て、何を見ないのか、と考え方を切り替えましょう。避けたいのは、配信のサブスクリプションのドラマです。続きを観たくなるような構成なので脳が興奮してオンの状態になってしまう。 ドラマなら水戸黄門のように一話完結でストーリーがある程度わかるものを選ぶべき。ストーリーがわかっているものは興奮もせず、感情の起伏が起こりません。脳がオンの状態になっていることをオフにするのが睡眠であって、オンのまま眠れたとしてもいきなり夢を見たりして浅い睡眠になってしまう。浅い睡眠だと途中で起きてしまったりします」 小声で語るが、入眠前の楽しみといえばちょっとアダルトな画像や動画の視聴も欠かせないという人もいるだろう。妻や子どもにナイショで、独りで楽しむことも日々のささやかな楽しみかもしれない。 「スマホ中毒の実情はSNSかもしくはポルノです。ポルノですから見れば興奮し、良質な睡眠の妨げとなります。しかし、人の欲ですから見ないのも難しい。妻に悪いな、などと罪悪感を持って見るのではなく、これもストレス発散だからと、ある種開き直って割り切って見たほうが脳にはいいようです。長時間ではなく、リフレッシュのためにぱっと見て、欲求を満たし、すぐにでも入眠することで睡眠の妨げとならない」 寝る前に少量の飲酒をしている人もいるだろう。寝酒は適量であればリラックスあるいはストレス発散の役割となる。ただし、寝酒が睡眠薬の代わりのような習慣があると、酒量は増えていく。その状態で寝酒を止めようとすると、ストレスで寝付きが悪くなったり、反動で大量の飲酒を誘発しかねない。 「寝酒をすれば寝付きは良くなるのも確か。けれども利尿作用で夜中に起きてしまいます。またアルコール自体が毒なので、それを肝臓で分解し、解毒するのに体内でエネルギーがかかり、安定した眠りの妨げとなります。しかし、寝酒厳禁にすると逆にストレスを感じるので、寝る前にお酒を飲むと眠りの質にどう影響するか、何杯までなら大丈夫そうか、自分の体質を知っておくこと。 また、お酒を飲むとアルコールの害によって、筋弛緩作用を起こします。舌と喉を構成している筋肉が緩み、その結果、上気道が狭くなり、いびきが起こります。寝るときは、筋肉が緩みリラックスした状態なので、そこにアルコールが加わると、さらにいびきのリスクを高めることになります。 無料のアプリで『いびき対策アプリ (SnoreLab)』というものがあります。そのアプリで、寝ている間にどれだけいびきをかいているか、朝にいびきのスコアが視覚化できます。これを数日実施すれば、どれぐらい飲むと自分がいびきをかくのかがわかる。そのポイントを知っていれば次の日、大事な仕事があるけど、ここまでだったら飲んでも大丈夫だとわかるようになります。寝酒がルーティーン化している人は何杯までならOKなのかを知ることが大事です」 ◆「ぐっすり眠ること」は最強のアンチエイジング 睡眠は健康の源だ。きちんと深い睡眠がとれているおじさんととれていないおじさんとは見た目にも差が出る。健康であれば、肌も綺麗で、抜け毛も減る。高価なアンチエイジングの薬を飲まなくても、ぐっすり寝ることが最大のアンチエイジング対策となる。 「実際に睡眠を改善できた方から、モテるようになったと報告があります。異性に対してだけでなく、職場の人や家族からも、若返った、と褒められる。娘さんから、お父さんなんか最近いいね、と言われたら嬉しくないですか。 深く眠るだけで、アンチエイジングができる。成長ホルモンが深い睡眠で分泌されるので、高価なアンチエイジングの薬を飲む必要もない。しっかり眠れないとメンタルも脳も整いません。お金をかけずに格好良くなるには、人気者になるには、睡眠だと僕は思います。まずは、しっかり寝ることに意識を向けてみてください。その意識の差で自分が変わりますから」 娘から「パパ臭い~」と言われたら、「よく寝る」が最善策のようだ。 『働く女子のための睡眠革命』(角谷リョウ・サトウ未来/光文社) 【プロフィール】角谷リョウ:上級睡眠健康指導士。ライフリー株式会社を立ち上げ、NTT ドコモ、サイバーエージェントなどの法人を中心に、14 万人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。短期間かつ高確率(受講者の 90%以上)で効果を感じられる実践法を得意とする。YouTubeチャンネル『経営者に送る究極の睡眠術』が9月10日よりスタート
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