イチロー氏が母校電撃訪問でデータ野球に警鐘「ヒットにできると思ったらそれがストライク」
マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(51)が、母校である愛工大名電をサプライズ訪問し〝イチ流帝王学〟を伝授した。 【写真】走塁の極意を伝授するイチロー氏 日米通算4367安打を誇るレジェンドが同校を訪れたのは18日のことだった。今秋の愛知県大会は3回戦で敗れてベスト16止まり。予告なしの登場に野球部員は驚きを隠せなかったが、イチロー氏はさっそく「秋の成績は?」と問いかけ「1回戦負けと一緒でしょ。愛工大名電にとっては」と愛のゲキを飛ばした。 その後は、先のドラフト会議でソフトバンクから5位指名を受けた石見颯真内野手(18)とキャッチボールも行い、走塁や打撃を実演。技術面では股関節や肩甲骨などの重要性を説いた一方、データ解析が進む野球に対して警鐘を鳴らした。 「気になったのはデータで見えないことを大事にしているか。それ(データ)だけじゃないこともある。気持ちがどう動くか。感性とか。データでがんじがらめになって、感性が消えていくのが現代の野球。自分で考えて動く」 お互いがお互いを分析するだけにデータは無視できない。だが、頭にデータばかりを詰め込んでも最後は生身の人間同士の対決だ。イチロー氏は「いいピッチャーは甘い球、こないよ。なかなか。それをヒットにしないといけない。技術の方が優先されるべき」と強調し「ストライク、ボールは関係ない。ヒットにできると思ったら、それがストライク」と伝えた。 これからプロの門をくぐる石見は「イチローさんの感性を少し聞けただけでもレベルアップにつながるのかなと思いました」と目からウロコが落ちた様子。後輩たちに大きな財産と刺激を残す母校訪問となった。
東スポWEB