テレビ朝日がマスター障害の原因と再発防止策を発表 技術局担当取締役が役員報酬10%の1カ月分を自主返上
テレビ朝日が8日、7月に発生したマスター障害について、社内に設けたマスター障害検証会議において原因を特定し、再発防止策を実施したことを報告した。 テレビ朝日で7月23日午後10時04分から午後11時59分にかけ、地上波・BSともにマスター設備のネットワークに障害が発生し、地上波放送はCMの送出が不可能に、BS放送は番組・CMともに送出が不可能となった。 経緯としては、マスター設備内ネットワークスイッチの記憶装置で誤作動(メモリーエラー)が発生し、マスター設備内のネットワーク内に大量のデータが流れ、番組・CMを送出するサーバー3系統全てが制御不能となった。 このメモリーエラーの原因については「設備メーカーから『中性子線の影響が原因であると判断』との報告がありました。中性子線は日常的に地表に降り注ぐ宇宙線が大気中の原子に衝突することにより発生し、中性子線が半導体に衝突すると機器が誤作動する場合があります。今回の原因は中性子線の衝突によりメモリーエラーが発生したと判断するのが妥当との認識に至りました」と説明。再発防止策は「同様の事象が発生した場合に通信を遮断するなど、二重、三重の対策を施しました。また不測の事態に備え、さらに予備系等を強化し、放送保安全性向上を図りました」と明かした。 この件について同社は「視聴者やアドバタイザーの皆様、並びに系列各局の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今回の件に関して、事案の重大性にかんがみ、技術局担当取締役が役員報酬10%、1か月分を自主返上します。また、技術局長を譴責とする処分を行いました」と処分を発表した。