受刑者は「呼び捨て」から「さん付け」に 転換期迎える金沢刑務所 心情に寄り添う刑務官の“新たな姿”
受刑者 「運動中一緒になる方は結構話しやすいですね」 刑務官 「自分から話す人ですか?」 受刑者 「はい、結構深い所まで話します。」 刑務官 「そんな人がいるということはとても大切だと思いますよ。自分の弱さを見せることで自分を吐き出せて楽になったりもしますし」 面接を行うのは心理カウンセラーなど専門職の職員ではなく刑務官です。 金沢刑務所・湯浅康一所長 「制服を着た刑務官が改善指導をしていかなくちゃいけないという時代が来ます。刑務官というのは日々受刑者の生活ぶりを見ていて非常に洞察力観察力に優れています。だからこそ刑務官が切りひらいていける改善指導が見えてきました」 受刑者 「自分の思っていることを言えてすっきりしています。褒められたりとかして、この先どうしようとか先のこと考えられるようになるので自信は湧きます」 刑務官 「厳しくやっても中の人たち=収容者からは反発しか出てこないので、ちょっと緩くなればもっと指導に前向きになる収容者も増えて良いのではないかと僕は感じています」 さらに、改善指導の一環として行われている年に一度の取り組みがあります。金沢刑務所で年に一度開かれる工場対抗の「運動会」 ■工場対抗「運動会」趣向を凝らした“応援”も さらに、改善指導の一環として行われている年に一度の取り組みがあります。金沢刑務所で年に一度開かれる工場対抗の「運動会」 リレーでは受刑者たちが懸命にバトンを繋ぎ優勝を目指します。コミュニケーションを取りながら力を合わせて行う綱引き。童心に返る玉入れなど5種目が繰り広げられます。 一番盛り上がるのが工場ごとに趣向を凝らした応援です。 運動会は、競技を通して団結し協調性を養うため毎年秋に行われています。 受刑者 「一日でも早い社会復帰がみんなの目的。選手も応援も一緒になって一丸となってやっていくことに意味があると思う」 刑務官 「これを通じて残りの受刑生活もしくは社会復帰にむけて前向きに取り組んでいってもらえたらと思う」