鼻に噴霧「痛くない」インフルエンザワクチン「フルミスト」実用化 効果と副反応理解し選択を
山陰中央テレビ
これからの季節に注意しないといけないのが「インフルエンザ」です。その予防策であるワクチンのうち、2024年のシーズンから子どもを対象に、鼻に噴霧するタイプが実用化されました。『痛くない』ワクチンと言われていますが、その効果について取材しました。 例年、冬に流行期を迎えるインフルエンザ。前のシーズンは、新型コロナの流行とともに、秋口から患者が急増しました。山陰両県では2024年のシーズン、まだ目立った流行は見られませんが、早めの予防が重要なことに変わりはありません。 うえだ内科ファミリークリニック小児科担当・柴田直昭副院長: 基本的な感染対策が重要になってくるかと思います。手洗い、うがいです。2歳以下のお子さんや高齢者は重症化のリスクが高いため、重症化を防ぐにはやはりワクチンが有効だと思います。 有効な予防策の一つワクチン接種では、2024年のシーズンから新たな動きが…。 2歳から18歳までを対象とした、鼻に噴霧するタイプのワクチンが実用化されました。 うえだ内科ファミリークリニック小児科担当・柴田直昭副院長: 12歳以下の子どもは、インフルエンザワクチンの2回接種が推奨されていますが、1回で効果があるのもメリットだと思います。 新たに登場した鼻噴霧ワクチン「フルミスト」。弱毒化させたウイルスを鼻に噴射。皮下注射と比べ、痛みが少ないのが最大の特徴です。こちらのクリニックでは、早速フルミストのワクチンを接種する子どもの姿が…。 接種した子ども(10歳): 注射よりも全然痛くないから良かった。 接種した子ども(12歳): 全然痛くないから、噴霧型のほうがいいです。 接種を受けた子どもの保護者: (病院)行く前に注射だと嫌がるんですけど、全然そんなことも無いので。(接種が)1回で終わるので、すごく楽です。 このフルミスト、1回あたりの価格は医療機関によって異なりますが、7000円~9000円ほどとなっていて、従来のワクチンの倍程度かかります。しかし従来のワクチンの場合、13歳未満は2回接種が推奨されていますが、フルミストは1回の接種で済みます。「痛くない」というワクチン、どれほどの効果が期待できるのでしょうか。 うえだ内科ファミリークリニック小児科担当・柴田直昭副院長: 従来のワクチンと同等の効果は得られます。インフルエンザは、鼻に感染して上気道に感染して発症するので、それを防ぐという意味では、いわゆる普通に感染する経路に対してのワクチンを接種することになるので、(効果が)得られやすいのかなと思います。 また柴田副院長によると、効果が持続する期間は、従来のワクチンが約5か月なのに対し、フルミストの場合、1年ほどは期待できるとしています。一方で注意が必要なのが副反応です。 うえだ内科ファミリークリニック小児科担当・柴田直昭副院長: やはり生ワクチンですので、一定数の方、データによると1%くらい本当にインフルエンザを発症する方がおられます。(副反応として)インフルエンザに似た症状、鼻水が出たり鼻が詰まったり、そういう症状は出ることがあります。 選択肢が増えたインフルエンザのワクチン接種。柴田副院長は、接種前の体調管理はもちろん、接種直前に風邪症状がある場合などは、医師に相談の上で接種するよう呼びかけています。
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