ソフトバンク、超強力打線における〝2番らしい2番〟今宮健太の存在意義 「すごく価値あることだとやっと気づいた」 小久保監督と共通認識の大きな四球
◆オープン戦・ソフトバンク5―0巨人(14日、ペイペイドーム) ソフトバンクの今宮健太内野手(32)が価値ある2四球で勝利に貢献した。3番以降に柳田、山川、近藤、ウォーカーと並ぶ中、2番今宮の存在意義を見せつけた格好だ。 ■「泣ける」ウォーカーが古巣恩師とサムアップ2ショット【写真】 初回、先頭の周東が中前打で出塁。今宮の6球目に二盗に成功した。今宮はフルカウントから戸郷のフォークを見送り、四球でチャンスを拡大すると、直後に柳田の先制3ランが飛び出した。今宮は「ああなって四球を取るのか、1死三塁をつくって1点を取りにいくのかの選択になる。単純にバントだけじゃなく、ああいう風に(四球で好機を)つくっていければ3ランで3点も入る。やることは明確なので、そこに向かってやるだけ」と振り返った。 「やることは明確」。もちろんそれはチャンスをつくって、強力クリーンアップにつなげることだ。5回は2死二塁で打席を迎えた。3球で追い込まれたが、そこからファウルで粘り、10球目で四球を奪った。「それが仕事っすよ。(次が柳田で)100(%)僕で勝負するだろうと思って打席に入っている。あそこでフォークの選択もなかったと思う。何とか回せば、チームの軸につながる。それが仕事ですから。ランナーがいる状況で回せばいい」。結果的に柳田は一ゴロに倒れたが、仕事はきっちり果たした。 振り返れば、2月24日。対外試合初戦の台湾・楽天戦(宮崎アイビー)でも2番に入り、四球でつないだ末に柳田の2点打、山川の2ランが生まれた。このとき小久保監督は「ポイントは今宮のフォアボールです」と評価していた。そして、この試合でも指揮官は「今日は打線で言ったら今宮のフォアボール。彼はああいうタイプというか、ああいう風にやってもらいたい」とたたえた。地味な仕事だが、しっかり見てくれている〝上司〟がいることでやりがいにもつながる。 今宮は「そこを評価してくれるし、自分としても四球で『よっしゃ』という感覚に変わってきています。価値観というか、自分の中ですごく価値あることだとやっと気づいたところがあるので。遅いんですけどね。だからといって当てに行くことはしたくない。しっかり振っている中で四球を取れればいい。ゲッツーを打ったら地獄なので」と笑った。プロ15年目での価値観の変化。2番に強打者も増えてきた中、現役最多370犠打と小技がさえる2番っぽい2番も悪くない。(小畑大悟)
西日本新聞社