16世紀の文化交流に関する特別展 故宮博物院 日本の美術館収蔵品も/台湾
(台北中央社)台北市の国立故宮博物院北部院区で23日、航海によってもたらされた16世紀の交流に関する文物を集めた特別展「境界を超えて―海から見た16世紀の東西文化交流」が始まった。展示品の中には大阪市立東洋陶磁美術館が収蔵する作品も含まれている。 この日開かれた記者会見に出席した陳建仁(ちんけんじん)行政院長(首相)は、来年オランダ東インド会社が南部・台南にゼーランディア城(安平古堡)を建設し、都市が発展してから400年に当たることに言及。「当時の人々が海上を往来していた形跡を感じられ、大航海時代における台湾の地位と役割を探しながら経験や知恵をくみ取ることができる」とあいさつした。 展示されている169件のうち78件は国内外12カ所の博物館などから出品された。東洋陶磁美術館は「染付 人物文 瓢形瓶」など7件を出品した。故宮の余佩瑾副院長は、今回の協力の成果は故宮がより開かれたミュージアムに向けて歩んでいることの表れだとし、特別展のテーマに合わせて「交流」の観点から航海の物語を伝えると話した。 来年2月18日まで。現在知られているものとしては最初に太平洋が描かれたとされる、地理学者、アブラハム・オルテリウスの地図や宣教師、マテオ・リッチが手掛けた世界地図「坤輿万国全図」のレプリカなども展示されている。 (王宝児/編集:齊藤啓介)