使い道のない「さのう」を輝かせる ポーラのサステナブルプロジェクト第2弾は、ゆずのボディーソープを発売
ポーラのサステナブルプロジェクト「フロムロストゥービューティ(FROM LOSS TO BEAUTY)」は12月1日、新商品のボディーソープ“ボディシャワーシロップ”(390mL、3960円)を発売する。
同商品は、高知県産のゆずの加工過程で生まれる未利用資源「さのう」から抽出したエキスを配合した商品だ。テクスチャーはゆずとはちみつを煮つめたような濃密なシロップのようで、豊かな泡立ちがかなう。香りは、はちみつをたっぷりと入れた甘やかなゆず茶からインスパイアした。販路はポーラの全国の直営店や公式ECなどで、通年の定番商品として販売する。
ゆずの白い部分「さのう」の廃棄量は1年で約3600トン
さのうは、ゆずの中心にある白い部分(袋)のことを指す。ゆずと言えば青果としてはもちろん、皮はゆず胡椒やジャム、果汁はポン酢などのさまざまな商品に活用される果実だが、さのうは使い道がなく、全て廃棄されていた。加工過程において、収穫量約1万トンのうち約3600トンを処分するため、廃棄の手間やコストもかかり、地域の課題となってた。
そこで、ポーラがこのさのうに着目。発表会に登壇した重住久美子「フロムロストゥービューティ」プロダクトリーダーは「高知県四万十川流域のゆずが加工されている現場を視察に行った際、さのうを破棄するためにトラックに高く積み込まれている光景を目の当たりにした。運ばれるさのうから、ゆず特有の清々しい香りが辺り一面に広がり、みずみずしく輝くようなその姿を見て、私たちは美しさの可能性に満ちあふれてると感じた。高知県の可能性を広げるきっかけになればという思いから商品の開発をスタートした」と語った。
「ブランドを続けていくことに意義がある」
「フロムロストゥービューティ」は、“失われるものを美に変えていく”をコンセプトに、本来捨てられてしまう資源を活用し、新たな美の価値観を生み出す商品を継続的に打ち出していくブランドだ。第1弾の“ハンドコンフィチュール”(ジャータイプ50g、3850円/チューブタイプ40g、3080円)は、島根県特産のブドウ品種「新紅(しんく)」の栽培過程で廃棄される葉茎、副梢(ふくしょう)から採取されるシンクエキスを配合したハンド美容液で、年に1度限定販売をしていたが、好評だったため2024年9月に定番化した。
「フロムロストゥービューティ」の今後については、「第3弾の商品ももちろん考えており、日々素材を探し続けている。続けていくことに非常に意義があるブランドだと思っているため、『フロムロストゥービューティ』を絶やさぬようにやっていきたい」(重住)。また、ホテルアメニティー事業に力を入れている同社だが、「高知県内のホテルでアメニティーとして取り入れてもらったり、グローサリーショップなどで販売してもらうことも視野に入れていく」ことも考えているそうだ。