アメリカが「中国産ニンニクは人糞栽培」と発言し物議…”健康大国”に広がるヤバすぎるデマ
アメリカ上院議員の発言が大炎上
12月10日、アメリカのリック・スコット上院議員が、「中国産ニンニクは人糞で栽培されている」と主張し、中国産食材の調査を行うよう求めた発言が物議を醸している。 【衝撃写真】中国人が「路上排便」する瞬間 同議員は以前から「中国産ニンニクを輸入禁止し、米国産の売り上げを上げる」と主張してきた人物で、その目的のため中国産ニンニクに関するデマを何度も流してきたことが指摘されてきた。 これには中国側が反論。ニンニク生産者や専門家が「アメリカの税関では輸入品を厳格に検査、管理していて、安全性のない食品は輸入許可されていない」とした。 実際、中国では輸出食材については厳格化されており、山東省のニンニク栽培地でも、「他国から返品された場合、損失が大きい」として、輸出先の基準を確保するために、種子の段階から残留農薬、微生物の検出に至るまで行政機関が監督するようになっている。 中国の外務省報道官は、この件についてムキにならず「中国のニンニクを恐れるのは吸血鬼だけですから」と、欧米での迷信を使った皮肉で記者たちの笑いを誘ったことが、12月15日の中国内のニュースランキングでトップになった。 中国・天津市の記者に聞いたところ、「近年、やたらとアメリカでは中国脅威論が受けるようになっているので、デマを言う議員まで出ていますが、中国との貿易を失って困るのはアメリカ側の輸入業者や消費者で、アメリカ自身が損をする話ではないか、というのが大方の見方」と話す。
そもそも人糞肥に問題はあるのか
中国のネット上では、食の安全への関心が高いことから「本当に中国産ニンニクは人糞で栽培されていないのか」と、政府の意見とは違ったものも見受けられ、人々の議論にもなっている。 「役人にワイロを渡して見逃してもらえば、人糞を使うことだって可能じゃないのか」 「そもそも人糞を集めるのが大変だからありえない」 「農家の衛生状態は信用できない。連中は売れるためなら何でもやる」 「人糞は無害の肥料で、発酵と醸造させて使えば問題ないし、先進国でもやっていること。人糞を直接に使えば植物は根腐れするので、無知な人が騒いでいるだけだ」 日本でも、人糞を使った有機的な栽培で安全な野菜を作るのが主流だった時代があった。公衆衛生の向上と都市化に伴い、人糞肥の利用は急速に減少した。 こうした栽培方法に今批判が集まるが、一方で化学肥料と殺虫剤まみれの欧米産にも問題はあった。大量生産・大量消費のシステムに適したが、農地の劣化や環境汚染を引き起こし、農薬残留物や化学肥料が地下水に浸透することで、健康被害や自然環境への悪影響が社会問題になった。 7年前まで千葉県大網白里市で60年以上も農園に携わった北田栄二氏によると「日本ではマッカーサーのGHQが占領後、日本政府に人糞肥料の中止を命じたことがあり、化学肥料に転換されましたが、厳格な処理技術さえあれば人糞の利用は土壌の微生物や栄養素のバランスが保たれる優れた手法」という。