アメリカが「中国産ニンニクは人糞栽培」と発言し物議…”健康大国”に広がるヤバすぎるデマ
ネット上に流れている「健康デマ」の正体
それでも、中国では、経済の急速な発展とともに、人々の健康への関心は日本以上に高いところがあり、アメリカ発でなくとも食の安全に対する不安を煽るデマはネット上にたくさん見受けられる。 いくつかピックアップしよう。 ・「冷凍フードはすべて防腐剤だらけ」 現代の冷凍技術では防腐剤は不要である場合がほとんどだが、この言説を信じて「冷凍食品は防腐剤だらけだから買わない」と言う人々は少なくない。 ・「鍋料理店ではスープが使い回しされている」 実際にはそんなことをしていたら、従業員や客に見つかって閉店に追い込まれるリスクがあり、行政の監視もあるのだが、過去に実在した悪質店の一例が誇張された形で広まってしまったものと思われる。 ・「廃棄食品が学校給食に使われている」 飲食店などで廃棄された食品がそのまま学校給食に再利用されているというデマ。実際には食品安全法により給食は厳しく管理されているが、これまた大昔の中国だったらありそうな話が尾を引いているようだ。 ・「ペットボトルの水には大量のプラスチックが含まれている」 市販のボトルウォーターに、大量のプラスチックが溶け込んで健康を害するという都市伝説だ。食品以外にもネットで広まる中国のデマは、「地下鉄の手すりは猛毒で危険」、「公園のベンチにエイズウイルスが付着」、「QRコードを使うとハッキングされる」、「スマホを使うと妊娠に悪影響」、「新生児には不要なワクチンが打たれている」など、中国のSNSで拡散している。 ただ、今回においては報道官の「中国のニンニクを恐れるのは吸血鬼だけ」というジョークが一時トレンド化しており、国内でのデマ拡散を止める上手な手法になった。
片岡 亮(フリージャーナリスト)