にらみあうチンアナゴ

京都水族館（京都市下京区）のX（旧Twitter／@Kyoto_Aquarium）に、とっても険しいお顔でバチバチにやりあうチンアナゴの動画が投稿されました。 ▼【動画】バチバチに争うチンアナゴを見る ゆったりのんびりしていそうなチンアナゴのイメージを覆し、新たな一面や魅力を見せてくれる動画には1.4万件の“いいね”が寄せられています。

8月31日に「険しいお顔でバチバチ」という一言とともに投稿された動画には、左右と真ん中、計3匹のチンアナゴの姿が映し出されています。

チンアナゴは熱帯域の海に生息するウナギ目アナゴ科の生き物で、「狆（ちん）」という犬に似ているためこの名前が付けられたとされています。 彼らの特徴は細長い体と白地に黒色の斑点模様と、体の大部分を砂に埋め、体の半分～頭だけ砂から出している姿。 砂から生えているように見える姿や、ゆらゆらと動く様子はなんともユーモラスでかわいらしく、水族館の人気者となっています。

改めて投稿された動画を見てみると、左右のチンアナゴは大きく口を開けて対面し、バチバチにやりあっています。 最初は険しい顔をして争っていた2匹ですが、やがて左のチンアナゴは体を起こし、右のチンアナゴは頭の下まで砂に潜っていき……どうなることかと思いきや、今回の争いはなんとなーく終了したようです。

担当の方にお話を聞いてみた

チンアナゴはなぜ争っていたのか、争いの勝敗はどのように決まるのか。 気になったBuzzFeedでは、担当の方にお話を聞いてみました。 ――動画の撮影日を教えてください。 「8月に撮影。京都水族館2階の『ミテッテ』で撮影しました」 ――チンアナゴが争っている理由がわかれば教えてください。 「自分のテリトリーを守るために威嚇し合って、闘争していると思われます。体のほとんどが砂に潜った状態で威嚇し合うので、自分を大きく見せようとしていると考えられています」 ――今回の動画では左のチンアナゴが勝ったようにも見えますが、争いに勝敗がついた場合チンアナゴはどんな動きやリアクションをするのでしょうか。 「どちらかが砂に潜って終わる場合と、なんとなく終わる（おさまる）場合があります。体の小さい個体が負ける傾向にあります。今回は、なんとなくおさまったように思われます」 ――チンアナゴが争う姿はよく見られるものなのでしょうか？ 「毎日、頻繁に見られます」 ――飼育スタッフから見たチンアナゴの魅力や注目して欲しいポイントを教えてください。 「京都水族館では、チンアナゴと一緒にオレンジ色の体色のニシキアナゴを展示しています。模様の違いなどじっくり観察を楽しんでください」 「体のほとんどが砂に潜っているチンアナゴですが、実は泳ぐことができます。チンアナゴが巣穴から体をすべて出して泳ぐ姿を見られたらとてもラッキーです。砂を掘るためにしっぽの先がとがっていて細くなっています。泳いで次の巣穴を掘るところもぜひ見て欲しいです」 ・・・・・・ チンアナゴの争いは自分のテリトリーを守るための行動であり、毎日頻繁にみられる行動とのこと。砂から頭や体を出し、ゆらゆらと動く姿がかわいいチンアナゴにこんな激しい一面があったとは驚きです……！ 京都水族館に行った際はチンアナゴの行動をじっくり観察しつつ、チンアナゴとニシキアナゴを見比べてみたいですね。

SNSでも大反響

京都水族館のX（@Kyoto_Aquarium）に投稿されたチンアナゴの動画には、 「喧嘩してる」 「やんのか？お？やんのか？って感じで可愛い」 「レフリーやってる子が可愛いwww」 「チンアナゴがケンカするイメージがなかったから驚いた」 「こんなチンアナゴ、初めて見ましたいつもゆったりしてるイメージでした」 といった、チンアナゴの意外な一面に驚いた皆さんからのコメントが寄せられています。