脱炭素と経済活動の両立を 水俣病被害者の「思い聞く」 浅尾環境相・原子力防災担当相
浅尾慶一郎環境相・原子力防災担当相は、産経新聞などの取材に応じ、脱炭素と経済活動を両立させる政策を強化していく考えを示した。主な一問一答は次の通り。 －－脱炭素への思いを。 「脱炭素は地球全体の重要な課題だが、経済活動と反するものではない。両立を進め『ウィンウィン』の関係をつくっていきたい」 －－11月には、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議（COP29）が予定されている。 「国会の状況が許せば出席し、主要な排出国が、（世界の平均気温上昇を抑える）パリ協定と整合的な目標を設定するよう働きかけたい。温室効果ガス削減の成果を国際移転させるルールの整備も重要だ。（途上国と協議を進めてきた）経験を生かし、議論に貢献したい」 －－再生可能エネルギーの普及に向けてどうする 「まず2050（令和32）年の温室効果ガス排出実質ゼロは実現しなくてはいけない目標。さまざまなものを組み合わせる必要がある。衆院解散で関連法案が廃案になってしまったが、排他的経済水域（EEZ）を活用した洋上風力発電は検討しなくてはいけない」 －－福島第1原子力発電所からの処理水の海洋放出の長期的な計画は 「昨年8月の放出開始以降、放射性物質について幅広く測定し、人に影響がないことを確認してきた。今後30年間にわたって放出が続くが、客観性、透明性、信頼性の高い海域モニタリングを進め、国内外に分かりやすく発信し、風評被害対策に取り組みたい」 －－水俣病について。被害者との懇談を行うか 「地域の方々の思いは、前任の伊藤信太郎大臣からしっかりと引継ぎを受けている。まずは（事務方が）実務的な意見交換を重ねることが重要で、被害者との直接の懇談は状況を踏まえて適時適切に対応したい。思いを直接聞くことは石破内閣が掲げる『国民の納得と共感』につながると思う」（織田淳嗣）
