麻生氏の反対押し切り衆院めざした側近、出馬断念 自民公認得られず
衆院選の福岡9区(北九州市八幡西区など)で自民党公認を得られなかった同党の大家(おおいえ)敏志参院議員(57)=福岡選挙区=は11日、立候補を断念すると表明した。大家氏は麻生派所属で、麻生太郎元首相の参院の側近代表格とされてきたが、麻生氏は大家氏の衆院くら替えに「参院で頑張ればいい」と反対していた。 【図で解説】麻生氏、武田氏、県議会のドンが争う福岡三国志の構図 大家氏は党本部が9日に発表した1次公認に入らず、地元県議や後援会幹部らと協議。11日、後援会関係者らとの臨時の会合で出馬断念を伝えた。会合では「(公認が出ず)思うところはいろいろあるが、9区の議席を自民党が奪還するには、(自分は)まだまだ力不足だと判断が下ったと認識した」と語った。 福岡9区をめぐっては、自民県連は昨夏、衆院選の候補者となる支部長を決める党員投票を実施。大家氏が勝利したため、党本部に公認を求めていた。 一方、党本部は、参院の自民党議席が過半数に満たない状況で1議席は貴重などとして、県連の要請に応じてこなかった。大家氏のくら替えに反対してきた麻生氏について、大家氏を支援する地方議員は「石破政権になっても党執行部が顔色をうかがったとしか考えられない」と話した。(田中久稔、大下美倫)
朝日新聞社