使用済み燃料搬出ロードマップ、関西電力社長「年度末までに見直す」 福井県知事に約束、できない場合は「40年超3基停止の覚悟」
福井県内の原発にたまる使用済み核燃料の県外搬出に向けた関西電力のロードマップ(工程表)の見直しが必要になったことを受け、関電の森望社長は9月5日、福井県庁で杉本達治知事と面談し、本年度末までに見直した新たな工程表を示すと約束した。期限内に実効性のある計画を提示できない場合は「(40年超運転の)美浜3号機、高浜1、2号機の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨む」と述べた。 杉本知事は「関電との信頼関係に関わる重大な問題で極めて遺憾」と苦言を呈し、新たな工程表の早期提示を求めた。6日に経済産業省で斎藤健経産相と面談することを明らかにし「前面に立って主体的に活動していくとしていた国に対しても、今後の責任ある対応をただしたい」と述べた。 関電は昨年末までに中間貯蔵施設の県外計画地点を県に提示できない場合、40年超運転の原発3基を運転しないと約束していた。だが期限内に示せず、昨年10月に代替として工程表を提示し、県は工程表と3基の運転継続を容認した。工程表は青森県六ケ所村の再処理工場の9月完成を前提に2026年度からの搬出開始が柱だったが、同工場の完成目標が2年半程度延期され26年度内となり、搬出時期が遅れる事態になった。 森社長は面談で「再処理工場の確実な完成に向け、引き続き当社を中心にオールジャパン体制で支援していく」と強調。「国や関係機関と連携し、県民に信頼いただけるよう実効性のある工程表に見直す」と述べた。 杉本知事は昨年10月に工程表とともに関電が約束した立地地域の地域振興について、「何ら目に見える形で進んでいない」と厳しい口調で指摘し、具体的な内容や必要な財源を早期に明示するよう求めた。森社長は年度内に示すと答えた。
福井新聞社