あの時の約束、みんな覚えてる? 多忙グロージャン、メルセデスでの“F1さよならテスト”未だ実施できず「僕のせいなんだ」
メルセデスが2020年末に、ロマン・グロージャンとF1テスト実施の約束を交わしていたことを覚えているだろうか? 2024年になった今もその約束は果たされていないが、その理由についてグロージャン自身が語った。 随時更新! 2024年F1新車発表会日程まとめ 2020年のF1バーレーンGPで炎上クラッシュに見舞われたグロージャンは、シーズン終盤の2戦を欠場することとなった。グロージャンは当時所属していたハースから契約終了を言い渡されていたため、不本意な形でF1キャリアを終えることとなった。 グロージャンは最後にF1マシンでテストを行ないたいと語ったが、それに応えたのがメルセデスだった。 グロージャンはテストドライブに向けて、2021年初めにイギリス・ブラックリーにあるメルセデスのファクトリーでシート合わせを実施。フランスGPで2019年のチャンピオンマシンであるメルセデスW10のデモ走行を行ない、その後ポール・リカール・サーキットで本格的なテストを行なう予定となっていた。 しかしCOVID-19の世界的蔓延によって2021年のF1カレンダーに変更が加えられたことで、フランスGPの開催が1週間前倒しに。これによってグロージャンのF1デモ走行やテストの計画は流れてしまった。 その後グロージャンは活躍の場をアメリカに移し、インディカー・シリーズにフル参戦。2024年からはランボルギーニでIMSAを走り、ル・マン24時間レースでは同陣営からスポット参戦を果たすこととなっている。 グロージャンは、メルセデスとの約束は依然生きているものの、実施するタイミングを見つけるのが困難になっていると明かした。 「まだ丁度良いタイミングを見つけられていないんだ。これは僕のせいだね」 motorsport.comの姉妹誌であるGP Racingにグロージャンはそう語った。 「簡単じゃないよ」 「みんなF1が24戦になると文句を言っているけど、来年(2024年)僕は30回のレース週末をこなすことになる。僕はインディカーを18戦やって、耐久レースを7戦、Canal+でF1に5回行くんだ。そのスケジュールにテストを追加するのは簡単じゃない」 グロージャンは結果的にテストが延期されていることが彼にとって好都合であることを認めている。というのも、2022年から導入されたテクニカルレギュレーションに則った、現行のグラウンドエフェクトカーでの旧車テスト(TPC)が解禁されるからだ。 「とても利己的な言い方をすれば、新世代のマシンをきちんとテストできるまで、延期したいんだ」とグロージャンは言う。 「でも僕はまだテストがやりたいし、トト(ウルフ/メルセデス代表)は会うたび、いつも実施すると言ってくれる。F1マシンに戻れたら最高にクールだね」 なお、バーレーンでの炎上クラッシュ後、両手の火傷をはじめとする後遺症について訊かれたグロージャンは、次のように語った。 「左手が少し痛い日もある。でも95%の時間は、そんなこと考えもしないよ」
Basile Davoine