【ライブレポート】Sano ibukiのワンマンライブ「Euphoria」東京で開幕、2つの物語の先に見つけた景色
Sano ibukiが昨日12月12日にワンマンライブ「Sano ibuki ONE-MAN LIVE "Euphoria"」の東京・WWW X公演を開催した。 【写真】アコースティックギターを鳴らすSano ibuki ■ 壮大な物語の始まり Sanoは11月にリリースした最新アルバム「BUBBLE」を携えてWWW X、愛知・ell. SIZE、大阪・Yogibo HOLY MOUNTAINの3カ所を回る。「BUBBLE」はSanoが書き下ろした空想の物語を元に作られた作品で、DISC 1「side-DUSK」、DISC 2「side-DAWN」の2部作で構成されている。物語は“夢”に憧れて旅を始める2人の少年による、異なる時空で繰り広げられる冒険譚。「side-DUSK」では少年が夢を追いかける過程で大切なものを“失っていく”さまを、「side-DAWN」ではもう1人の少年が“手に入れていく”さまをそれぞれ描いている。Sanoはアルバムの収録曲、そして過去の楽曲も組み込みながら、ライブを通して自身の姿や心情を反映したこれらの物語を紡ぎ上げた。 物語の始まりを告げるのは「side-DUSK」のリードトラック「三千世界」。広い世界を感じさせる壮大なアンサンブルの中でSanoは剥き出しの歌声を響かせて天を仰ぐ。そして彼は時には弾けるような笑顔を浮かべ、時には衝動に突き動かされるように咆哮し、心の機微を表現していった。 「twilight」では弾むような四つ打ちのビートに乗せてみずみずしい歌声を響かせ、オーディエンスの心に向かって手を伸ばしたSano。「会えてすっごいうれしいです。この中でたぶん俺が一番うれしいです」と彼は目を輝かせて会場を見渡すと、フロアから上がった「負けないよ!」という声に対して「じゃあその気持ちを見せてもらおう!」と返し、より一層アクセルを踏んでいった。 ■ エンディングに広がっていた至福の光景 乱れ打つようなドラミングと鋭利なギターサウンドでスタートしたのは「かりそめ」。暴れるようなアグレッシブなサウンドを背に受け、Sanoは愛に焦がれるように熱を帯びた歌声を響かせていく。「ミラーボール」では観客に優しく語りかけるように歌い、シンガロングを巻き起こしてリラックスしたムードを生み出した。ライブでもとりわけ印象的だったのは「side-DAWN」のリードトラック「きっと ずっと」。“失っていく”、“手に入れていく”というアルバムのテーマが通底するこのバラードナンバーでは、Sanoがドラマチックなアンサンブルに乗せて「あなたのそばにいたい」という切実な願いを歌い上げた。 ライブ終盤を迎え、Sanoから飛び出したのは「いやー、音楽好きだなあ!」という心からの言葉。彼は「作ってるときは1人ぼっちだからさ、会えてうれしい。ずっと僕の曲たちはあなたのそばにいるから。いろんなことを忘れていくけど、それだけは忘れずに!」とオーディエンスに伝えた。「幸せだぜ!」とSanoが叫ぶと、オーディエンスが声を上げ、拳を突き上げて呼応する。今回のライブタイトル「Euphoria」が意味するのは“多幸感”。Sanoは至福の時間を最後までオーディエンスと共有し合い、壮大な物語のエンディングを飾った。 なお、このあとSanoは1月29日に愛知、30日に大阪でライブを行う。 ■ 公演情報 □ Sano ibuki ONE-MAN LIVE "Euphoria"(※終了分は割愛) 2025年1月29日(水)愛知県 ell. SIZE 2025年1月30日(木)大阪府 Yogibo HOLY MOUNTAIN