日本の国民食「カレー」が海外で人気 「日本のカレー」の歴史と特徴をヒモとく
■日本に伝わったのは1870年ごろ…今ではイギリスに“逆輸入”
エスビー食品によると1770年代、東インド会社の社員がカレーのスパイスと米をインドからイギリスに持ち帰りました。するとイギリス王室で評判になり、富裕層の間でカレーが評判になったそうです。そして、簡単にカレー料理を作れるようにと、「カレー粉」が開発されました。1870年ごろ、明治初期の文明開化で西洋の文化を取り入れようとしていた日本にこのカレー粉が伝わってきます。その後、さまざまなルーやレトルトカレーなどが開発され、販売されるようになりました。 日本にカレーを伝えたイギリスですが、実は今、日本のカレーが人気で“逆輸入”しているそうです。イギリスでいう日本のカレーとは「カツカレー」です。ただ、具材はタマネギとチキンカツというシンプルなものが定番だそうです。 ただ、日本のカレーが人気なのはイギリスだけではありません。エスビー食品ではヨーロッパのほかアメリカやオーストラリアでもカレールーなどを販売していて、海外での売り上げはここ数年、毎年約1割ずつ伸びているそうです。 ちなみに日本では一番人気が「中辛」で次が「辛口」ですが、海外では「中辛」の次に「甘口」が人気で、「中辛」「甘口」「辛口」の順で売れているそうです。 さらに日本にはカレーうどんやカレーパンなど、カレーから派生したさまざまなグルメがあります。広島のカレーパン専門店「広島カレーパン研究所」は、お客さんの半分ほどが外国の人で「牡蠣(かき)カレーパン」が大人気だといいます。外国のお客さんからは、「広島名物のカキが2つ入って500円はお手頃」、「自分の国でカレーパンは見たことがない」と好評だそうです。 日本人が中華料理だと思っていたラーメンも、今では海外の方は日本のものだと思っています。カレーはインドのものと日本人は思っていますが、海外の方からすると、カレーは日本のものと思っているかもしれません。日本のカレーへのリスペクトを、私たちも持っていきたいと思います。