体操女子団体総合で札幌大谷が57年ぶり優勝…全道高校体育大会
◆体操・新体操◇全道高校体育大会(15日、江別市・野幌総合運動公園) 体操は女子団体総合で札幌大谷が57年ぶり7度目の優勝を飾った。競技途中で選手が負傷離脱するアクシデントがあったものの、最後まで冷静に演技し切った。男子団体総合は酪農学園大とわの森三愛が3年ぶり5度目の全道制覇。新体操は男子の恵庭南が24連覇、女子は北海がV2を果たした。団体優勝の4校は今夏の高校総体(福岡)に出場する。 古豪が半世紀以上ぶりにタイトルを手にした。1948年の第1回大会を制した札幌大谷は、前回の団体優勝が1967年。111・400点と2位に40点差以上を付けた57年ぶりのVに、堀越璃子(3年)は「全道優勝して高校総体にも出場できるなんて…ちょっと現実味がない」と夢見心地だ。 女子個人総合でもトップだった二階堂日和(2年)が抜群の演技でチームを引っ張った。ところが競技終盤に柳沢杏奈(3年)が3つ目の段違い平行棒で落下。しばらく起き上がれずに1種目を残して離脱した。 取り残された2人だが、多田悠利監督(24)から日頃、「本番でのアクシデントも想定するように」と指導されていた。大会1週間前には、普段一緒に練習している中学生が負傷する場面に遭遇。全道大会での緊急事態にも「介抱の手伝いをしていたらリラックスできた」(堀越)「自分の世界に入ることに集中した」(二階堂)と、それぞれの手法で動揺を抑え込んで修羅場を抜けた。 昨年は個人総合で高校総体に出場した二階堂は「団体はけがなく、楽しく終えたい」と表情を緩めた。たくましさが増したチームは次なる大舞台に挑む。 〇…新体操・男子団体は恵庭南が盤石のV24を果たした。華麗さと統率の取れた演技で魅了した。主将の川原爽空(3年)は「出来栄えには満足していないけど、直前にメンバー2人が入れ替わったわりにはまとまっていた」と自己評価。昨年の北海道開催の全国高校総体は5位。川原は「今年はしっかりやれば勝てる演技を持ってきた。大会までに詰めていきたい」と初の総体Vを見据えていた。 体操・男子団体総合は酪農学園大とわの森三愛が田村昊稀、大嶋希斉、菊地隼人の1年生トリオの奮闘で3年ぶりに覇権を取り返した。「大会前は1人でもけがしたら出場できなくなると思い緊張していた」(大嶋)というが、3人は安定した演技を見せ、各種目でも上位に食い込んだ。初の高校総体へ、菊地は「ノーミスの試合をしたい」と語り、田村は「1年生なので全てが経験」と意気込んだ。
報知新聞社