「おーい!おこーっつぁーん」の呼び声が聞こえそう!? 「旧山川少年自然の家」の精密模型、徳島文理大生が制作
徳島文理大建築デザイン学科の学生が、世界的建築家の故黒川紀章さんが手掛けた旧県立山川少年自然の家(吉野川市)の精密模型制作に取り組んでいる。設計図をデータ化して3Dプリンターで出力する計画で、年内の完成を目指す。 米津さんのライブに初参戦!地元記者、CDは3種類買いました【地元記者、米津さんにハマる】 メンバーはいずれも2年生の山根泰斗さん(20)、小田雄茉さん(19)、大海静哉さん(20)、山松亜麻音さん(19)、山田芽依さん(19)、服部南美さん(20)。有名な建築家の作品に触れ実践的な技術を身に付けてもらおうと、川村恭平教授(建築環境学)が建築技術者を目指して学ぶ6人に模型制作を提案した。 県から取り寄せた設計図を基に、大きさや形状などをCAD(コンピューター支援設計)システムに入力。3Dプリンターによる出力に必要なデータの作成を分担して行っている。 模型は幅約30センチ、奥行き約60センチ、高さ約20センチで実物の約200分の1の大きさ。建物は傾斜地に建てられているため、現場の地形も別途ジオラマで再現する。完成後は大学内外で展示する予定。 山川少年自然の家は1977年開設。小中学生らの宿泊研修などに使われてきたが、利用者数の減少や老朽化で2006年に廃止された。黒川作品であることはあまり知られておらず、県教委によると、黒川さんが設計に関わった経緯は不明。川村教授は、同一形状の部屋を山の斜面に沿って高低差を設けながら配置した宿泊棟が、自然との調和を重視した黒川建築らしさをよく表しているという。 山根さんは「傾斜地に設けられたV字形の建物のユニークさに興味を引かれた。宿泊研修に参加した人たちに懐かしさを感じてもらえるような模型を作りたい」と意欲を見せる。 川村教授は「3Dプリンターで作った模型を、施工の打ち合わせや施主への完成記念として活用する建設会社やハウスメーカーは今後増えていく。今回の取り組みを通じて技術を学んでほしい」と話している。