月1万5,000円に苦しめられ…東京に憧れた〈手取り月16万円〉23歳女性の悪夢「こんなはずじゃなかった」【FPが解説】
奨学金返済に苦しむ若者の実態
奨学金とは、経済的な理由や家庭の事情で進学が難しい人に対し、学費の給付や貸与を行う制度で、卒業後に返済が始まる「貸与型」と、返済不要の「給付型」の2種類があります。 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)のほかにも、大学や地方自治体、民間団体など多くの団体で奨学金が利用できます。独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の「令和2年度学生生活調査結果」によると、奨学金を受給している大学生の割合は49.6%、短大生は56.9%となっています。 教育資金の借り入れには教育ローンもありますが、奨学金(貸与型)との大きな違いは、子ども名義の借り入れになる、という点です。 教育ローンの場合は、親の名義で借りて、親が返済していくことになりますが、貸与型の奨学金は子ども自身の名義で借りて、卒業後は子ども自身が返済していくことになります。つまり、社会に出た時点で借金を抱えたスタートになってしまうのです。 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の「令和3年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、延滞している理由は、「本人の低所得」が63.8%で最も高く、次いで「奨学金の延滞額の増加」が36.7%、「本人の借入金の返済」が30.0%となっています。 労働者福祉中央協議会の「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書」(2022年9月)に実施によると、奨学金の平均借入総額は310万円、毎月の返済額は平均約1万5,000円となっており、返済の苦しさについては、「苦しい」は 44.5%で、このうち「かなり苦しい」(20.8%)の比率は高まっています。 返済を「延滞したことがある」という人は 2022年で26.9%で4人に1人おり、2018年の18.3%に比べても増えています。コロナ前と比べた返済状況では「変わらない」が6割強、「苦しくなった」が 26.0%と4人に1人以上となっていて、コロナによる影響もあることがわかります。