「中国人」の“地下アイドル”急増のウラでトラブルが続発 「スクール水着を強要」被害で事務所を訴えた中国人アイドルが“逆告訴”されるケースも
アイドル業界の「中国リスク」
彼女たちがわざわざ日本にやって来て“アイドルを目指す”のは、中国のアイドル市場が日本ほど成熟していない事情が大きいという。 「もともと中国の一部の若者たちにとって、日本のアイドルは憧れの存在でした。最近だと『乃木坂46』や『FRUITS ZIPPER』『iLiFE!』などが人気で皆、ネット経由で“推し”のMVやライブ映像をチェックしている。そんな“子供のころからの夢を叶える”には、中国より日本のほうがチャンスがあるということ。実際に一生懸命ガンバっている姿を見せれば、日本人のファンが付くケースも多く、いまでは中国人だけの地下アイドルグループも存在します」(同) ただし中国人アイドルの活躍の場が広がるにつれ、“異文化の衝突”が起きるケースも増えていると話すのは、前出のプロダクション社長だ。 「中国人は良くも悪くも“お金にキッチリ”しているので、ギャラの配分などについて彼女たちは非常に細かいところがある。もちろんブラックな環境に我慢する必要はありませんが、お金の件だけでなく、レッスンなど他の活動についても日本人のように“根性論”や義理人情が通用しない面があり、対処に困ることも……。そのため待遇などに不満を持つと、すぐにヨソの事務所に移るケースが後を絶たず、その際に事務所側と揉めることも少なくありません」 そんななか、業界内でいま「中国リスク」を考える上で大きな注目を集めているのが、東京地裁で進行中のある裁判という。
「スカート内を撮影」「殴られた」…
デイリー新潮が入手した裁判資料によると、当事者として登場するのは2023年にデビューした日中混成(日本人3人、中国人3人)のアイドルグループ。原告は同グループの運営会社で、被告となっている中国人メンバー3人に対し、計約2300万円を求める損害賠償請求となっている。 業界関係者が一連の経緯を説明する。 「キッカケは2022年、運営会社の社長が中国人メンバーのひとりAさんに貸し付けていた250万円の返済を求めたことでした。実はこの社長も中国人で、日本でアイドルビジネスを展開している若手経営者のひとり。貸付金のなかにはAさんが前の事務所を辞める際に請求された違約金も含まれていたとか。最終的にAさんの母親が全額返済することで両者は合意に至り、グループは晴れてデビューを果たしますが、その後も返済が履行されることはなかったそうです。すると23年3月、返済を求め続けていた運営会社社長に対し、Aさんが『社長からセクハラやDVを受けた』と主張し始め、他のメンバーやファンなどにもその話を広め始めたのです」 社長に「スカートのなかを撮影された」「スクール水着の着用を強要された」といったセクハラや「殴られた」などのDV被害を主張していたのは当初Aさんだけだったが、その後に「被害者」は他の中国人メンバーBさん、Cさんにも拡大。ちなみにAさんは中国では50万人以上のフォロワーを持つ人気インフルエンサーでもあるという。 しばらくすると、社長のもとに中国人メンバーの代理人弁護士から「1人につき300万円、総計900万円超の賠償金を支払うよう」求める内容証明が届くなど、対立は先鋭化。結局、グループは23年5月に解散を余儀なくされ、運営会社も営業停止に陥ったという。