日本人と中国人は毎月「4日」「14日」「24日」に死亡率が上がる…!?恐るべき「自己暗示」の力
---------- 人を死に至らしめることもある「自己暗示」の強い力。日本人と中国人は、「4」という数字がつく日に死亡率が上がるという驚くべき研究結果もあるそう。「おかしな思い込み」がいかに自分の寿命を縮めるか、著書に『老いを楽しむ心理学』(ワニブックス)がある心理学者の内藤誼人氏が、科学的根拠をもとに解説する。 ---------- 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”
「自己暗示」の効果はここまで大きい
心理学用語の一つに「バスカヴィル家の犬効果」と呼ばれるものがあります。 シャーロック・ホームズシリーズの『バスカヴィル家の犬』に由来するもので、簡単に言うと、「私は死ぬ」と思っていると、本当に死んでしまうという現象です。 たとえば、だれかに呪われたと信じ込むと、本当に死んでしまうことがあるのです。 ブードゥー教では、呪いの人形で気に入らない人物を呪い殺すことができると信じられており、呪いをかけられた人は本当に死んでしまうこともあるというのですから、ちょっと怖いですよね。 呪い自体は、まったく非科学的ですが、自分が呪われたことを知った人が、自己暗示によって死んでしまう、ということは実際にあるのだろうと思われます。 自己暗示の効果は相当に大きいですから。
「4」がつく日は死ぬ人が多くなる?
おかしな思い込みで人が死んでしまうことを実証する研究もあります。 米国カリフォルニア大学サンディエゴ校のデビッド・フィリップスは、日本人と中国人は、「4」という数字を不吉なものとして考えていることに興味を持ちました。 もし日本人と中国人がそういう思い込みをしているのなら、日本人と中国人は、「4」という数字がつく日、つまり、4日、14日、24日に死ぬことが多いのではないか、とフィリップスは仮説を立ててみたのです。 この仮説を検証するため、フィリップスは1973年1月1日から1998年12月31日までの、日本人と中国人の死亡統計(約20万人分)と、白人(約4700万人分)のそれを比較してみました。 するとフィリップスの仮説通り、日本人と中国人は、その月の「4」のつく数字のときに心臓病関連の病気で死んでいることがわかりました。 特に心不全での死亡は、4のつく日には、それ以外の日に比べて13%も増加していました。 4がつく日を不吉なものだと考えることのない欧米系の人には、もちろんそんな傾向は見られませんでした。
「思い込み」で人の心臓は止まってしまう
思い込みで、人の心臓は本当に止まってしまうのです。 というわけで、できるだけおかしな思い込みはしないほうがよいのです。 キング・オブ・ロックンロールと称されたエルヴィス・プレスリーは、母親が42歳で早死にしてしまったことをずっと気にしていて、「私も同じように死ぬ」と怯えつづけていたそうです。 そのような自己暗示をかけつづけていたからでしょうか。プレスリーは42歳のときに心臓発作で突然死してしまいました。年齢も死因も母親と同じでした。 おかしな思い込みは、本当にやめましょう。 自分で自分の寿命を縮めてしまうだけですから。
内藤 誼人(心理学者)