最上町の方言せんべい、新名物に 「ワラワラ」など印字、旅行客ら「新鮮」
最上町観光協会が手がけた町方言せんべいが人気を集めている。生活にまつわる15の言葉が片仮名で印字されているのが特徴で、「言葉の響きが懐かしい」「新鮮」など旅行客らの土産品の新たな定番になっている。同協会は「方言を旅の思い出の一つにしてほしい。地元との交流を深めるきっかけにもなれば」とPRしている。 町内では方言を観光資源とし、印字したグッズがこれまでも企画されてきた。近年では2021年に町がバッグ、22年には同協会が手拭い、バンダナ、ネックチューブを作った。同協会製作のグッズはいずれも約50~60の言葉を紹介している。方言せんべいはこのシリーズの一環で、酒田米菓(酒田市)とタッグを組んだ。国産うるち米を100%使った薄焼きせんべいが1袋2枚入っており、このうち1枚に一つの方言がプリントされている。 「ワラワラ」「ハバゲル」「ズホコグ」「スンダラガス」などが「急いで」「むせる」「うそをつく」「干す」といった意味を添えて記されている。同町志茂の道の駅もがみで昨年9月、催しに合わせて販売を始めると、「自分たちもこの言葉を使っている」など会話が弾み、好評を得た。
現在は多い時で1週間に数十箱が売れる。同協会は、帰省者にも家族団らんの場で味や言葉を楽しんでもらうことを期待する。同道の駅駅長の菅安夫さん(76)は「温かみがある方言を地域の若い人たちにも継承してほしい。自分のお気に入りは『あるよ』を意味する『あっつぇ』かな」と笑みを浮かべた。 同道の駅、観光施設「ヤナ茶屋もがみ」などで販売し、5袋入り450円、15袋入り1100円。問い合わせは同協会0233(25)8450。