三好銀のマンガ「海辺へ行く道」を横浜聡子が映画化、2025年晩夏に全国公開
三好銀によるマンガ「海辺へ行く道」が映画化。「ウルトラミラクルラブストーリー」「いとみち」などで知られる横浜聡子が監督を務め、2025年晩夏に全国で公開される。 【画像】三好銀が手がけたマンガ「海辺へ行く道」 映画「海辺へ行く道」の舞台は、アーティスト移住支援をうたう、ある海辺の街。劇中では、のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介とその仲間たちが、何やら怪しげな“アーティスト”たちが行ったり来たりする海辺の街で、大好きなモノ作りをしながら縦横無尽のイマジネーションで世界を愉快にしていく。 横浜は「2010年に『海辺へ行く道』に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)」と振り返り、「三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう」とつづった。 またアーティストの三好風太は「原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました」と述べ、「父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います」と語っている。 映画「海辺へ行く道」の配給は東京テアトル、ヨアケが担当。なお横浜は10月28日から11月6日にかけて開催される第37回東京国際映画祭にて、アジアの未来部門の審査委員を務める。 ■ 横浜聡子 コメント 2010年に「海辺へ行く道」に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)。三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう。 ■ 三好風太 コメント 原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います。 (c)2025 映画「海辺へ行く道」製作委員会