【なぜ?】「タクシーがつかまらない!」駅で30分待ちも …深刻化する“タクシー不足”のワケは? (every.しずおか特集)
夜にタクシーがいなくなるのは、静岡市だけではありません。午前0時の浜松駅前。タクシー乗り場には長い行列ができていました。 (タクシー利用者) 「タクシー減りましたよね、このあとつかまらないんじゃない?深夜0時から2時まではつかまらない」「タクシーアプリで4時間待ちもある、2時間待ちは当たり前。浜松駅で待つのが一番手っ取り早い」 なぜ、夜になるとタクシーがいなくなるのでしょうか。そこにはタクシー会社の切実な現実がありました。
タクシー会社の苦悩と改革
県内のタクシードライバーは、コロナ禍前の2018年には6200人あまりいました。しかし、新型コロナの拡大で利用客が大幅に減少。収入が減ったことなどから離職が相次ぎ、2022年には5000人を割り込むなど、4年間で1300人も少なくなってしまいました。
タクシー会社には車両があるにもかかわらず、ドライバーがいないため、その半数は稼働できていないのが現状です。
こうした状況から、こちらのタクシー会社では、これまでの常識を覆す、ある大改革を行いました。病院への送迎など、コンスタントに予約が入る昼間にドライバーを集中的に投入することにしたのです。
(静岡ひかりタクシー 泉 真 社長) 「とくに平日の午前中が週末の夜中より忙しい。午前中、需要がある時間帯を手厚くしたことによって、昼も夜も広く対応していたものを昼にシフトした実態があります」 それにより、本来12月の夜はタクシー会社にとって一番の稼ぎ時ではありますが、その時間帯にタクシーを稼働できないのです。 (静岡ひかりタクシー 泉 真 社長) 「平日の午前中をカバーするには朝8時に出勤するので、法律で労働時間の関係で終業が決まる。夜中、遅い時間帯はどうしても人がいなくなる」
こちらの会社では、平日の日中は40台ほど稼働していますが、夜になると、わずか5台ほどに。働き方改革の強まりに加え、ドライバー不足が追い打ちをかけるかたちで、夜間のタクシー不足が各地で深刻化しているのです。
【関連記事】
- 【小児がん】4歳で “余命1年 ” の宣告 …つらい治療に耐え、精一杯生きた心菜ちゃん “天国の娘”と家族の決意【every.しずおか特集】
- 【ダウン症の少年画家】“シュールでポップ” 剛輝さんと家族の特別な思いを込めた展覧会 (every.しずおか特集)
- 【ボンサイ柔術】 クレベル・コイケに迫る 「人として成長してほしい」地元で子どもたちに柔術を教える理由とは(every.しずおか特集)
- 【独自密着】海難救助のエキスパート「海猿」のリアル! 挑戦は29歳まで…3回の不合格を乗り越えた “新人潜水士” の覚悟とは(every.しずおか特集)
- 【心臓移植】「それでも生きていけるなら」“補助人工心臓”でアルバイト生活 移植を待ち5年…夢をあきらめない女性のリアルな生活 (every.しずおか特集)