仕事と家庭の両立に取り組む企業を優遇へ 少子化対策に本腰=尹大統領
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は25日に開かれた人口非常対策会議で、社員が仕事と家庭の両立に取り組めるよう支援する中小企業を対象に税制優遇措置を検討し、税務調査の猶予も講じる方針を明らかにした。韓国政府は深刻化している少子化に対応するため、6月に「人口国家非常事態」を宣言し、少子高齢化政策を統括する大統領直属の低出産高齢社会委員会を人口非常対策会議に変更した。 尹大統領は「政策資金支援、入札事業での優遇など企業が体感できるインセンティブを提供する」と明言。「企業の仕事と家庭の両立は企業競争力を高め、より大きな成長をけん引する投資となる」として、「政府も最善を尽くして後押しする」と強調した。 少子化問題の解決策としては、「出産と育児が幸せな経験になってこそ現在の人口危機を克服できる」とし、「若者が一生懸命働きながら幸せに育児と両立できるよう職場の環境と文化を変えていくことが最優先課題」と述べた。そのうえで、「そのためには企業の役割が何よりも重要だ」とし、「企業の認識が変わらなければ良い結果を出すことができない」と述べた。 また、「海外の先進国の事例を見ると、労働者が出産・育児でしばらく仕事を休んでも昇進や賃金に大きな影響を受けない」とし、「私たちのような年功序列体系ではなく、賃金も企業と労働者個人が交渉を通じて個人別に決めるため」と指摘。「私たちも労働者個人の決定権を拡大する方向で労働の柔軟性を高めていく必要がある」として、「それが第4次産業革命時代に合った方向であり、仕事と家庭の両立文化を定着させる土壌になる」との認識を示した。そのうえで「政府の労働改革の推進が人口危機の解決策になりうるだけに、労働の柔軟化に対する社会的なコンセンサスを得ていかなければならない」と力説した。 今年4~6月期の出生数が8年半ぶりに前年同期比で増加し、婚姻件数も2四半期連続で増加したことを取り上げ、「希望が見えている」とし、「官民が力を合わせ、確実な(出生率)反転のモメンタム(勢い)を高めるべきだ」と述べた。
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