カフェでコーヒーを頼んだら、「業務スーパー」で買えるコーヒーを注がれました。これは詐欺ですか? 原価率はどうなっているのでしょうか。
カフェでコーヒーを注文したとき、業務用スーパーで買えるコーヒーが注がれているのを見てしまったら、どう感じるでしょうか。なんだか損した気分になったとしても不思議ではありません。 安めの業務用コーヒーを提供しているカフェは詐欺だといえるのでしょうか。この記事では、 原価率と店舗運営の関係について見ます。
カフェで業務用コーヒーを出された!原価はいくら?
カフェで出されるコーヒーの値段は、300~500円台が主流となっています。例えば、1リットルの業務用パックコーヒーを300円と仮定して、330mlのグラスに260mlのアイスコーヒーを注いだ場合、原価は約78円です。1杯あたりの価格で考えると、原価はかなり安い印象を受けます。 ただし、コーヒー1リットルあたり300円というのはかなり低い想定なので、実際にはもっと高い業務用コーヒーを使っていることもあるでしょう。また、ここで覚えておきたいのは、コーヒー1杯あたりのコストは、コーヒー1杯分の原材料のみのコストではないということです。 ついついコーヒーそのものの原価ばかりに目が行きがちですが、カフェはメニューの提供だけでなく、家賃、光熱費、人件費、Wi-Fiなどの通信費、グラス代、おしぼり代などさまざまなサービスを提供しています。 コーヒー1杯が450円だったとして、それだけ注文したとしても、さまざまなサービスは450円に全て含まれているというわけです。 原価だけで見ると、業務用コーヒーはコスパが悪いように思えますが、全体的に見ると、損をしているわけではないことに気づきます。私たちはカフェでコーヒーを飲む場合、商品そのものだけでなく、それに付随するさまざまなサービスを買っているのです。
カフェの原価率や収益はどうなっているの?
コーヒーは利益率が高そうに見えますが、実際にはコーヒーだけで収益を確保するのはむずかしいです。 そのため、一般的なカフェではサンドイッチやスイーツなどの軽食を提供し、ドリンクとフードで原価率のバランスを取っています。 飲食店の原価率は30%程度が一般的ですが、カフェの原価率は「ドリンク15~20%、フード80~85%程度」と言われています。コーヒーや紅茶などのドリンクでもうけているように見えても、実際にはドリンクだけでは十分な運営を行うことはむずかしいのです。 そこで、カフェではサンドイッチやスイーツなどの軽食を提供し、ドリンクとフードを含めた原価率を30%前後に設定しています。もうかるコーヒーだけが注文されるわけではないので、他のドリンクやフードで原価率のバランスを取り、お店の運営を成り立たせているわけです。 お店側は原価率や回転率だけでなく、人件費や家賃など原価以外のコストも含めたトータルコストを考えています。テイクアウトやランチに力を入れるカフェが多いのはそのためです。
1杯のコーヒーに含まれるサービスは多岐にわたる
コーヒー1杯には、場所代や人件費など、さまざまなサービスを提供するためのコストが含まれています。ここでは、非常に安価な業務用コーヒーを想定しましたが、実際にはもっとコストがかかっている可能性も十分にあるでしょう。 そのため、詐欺というには早いかもしれません。また、コーヒーの成り立ちや店舗運営を広く理解することが、カフェの運営を支えるのかもしれません。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部