クラウド会計ソフト「使ってみた」(5完)どの会計ソフトを選ぶべきか?
確定申告の書類作成
きちんと会計処理を行った末に待っているのが、確定申告です。ここを問題なくクリアするために、確定申告関連書類の作成機能は重要です。この機能は、3社のソフトとも備わっています。 なかでも弥生は、確定申告書類を作成する時の操作がスムースでした。「扶養家族の有無」など、ソフトからの質問に答えていくだけで書類作成が完了。選択式の質問が多く、比較的回答が楽です。控除額も自動的に計算・入力してくれるので、自分で金額を調べる必要がありません。 一方、スマホアプリだけで、取引明細の記帳から、確定申告書類の作成までができるのは「クラウド会計ソフト freee」だけです。どのようなものかと確定申告の書類作成機能を実際に試してみたところ、思った以上に簡単でした。書類はPDFで出力されます。私の場合は、PDFをメールでパソコンに送り、プリンターで印刷することになりそうです。
サポート
会計作業中、わからない点が出てきたときに、頼れる相談先があると安心です。サポート窓口とのやり取りや、相談できる内容の範囲も気になっていました。 相談できる範囲は、いずれもソフトの使用方法や一般的な仕訳知識の提供にとどまるそうです。税理士法の関係で、税金の計算など、税理士でなければ行えないような税務に関する相談については回答できないためです。 勘定科目についてわからない点がでてきたら、一応、サポートに質問をするでしょうが、回答ができないというのならば、書籍やインターネットで調べるしかなさそうです。 それでも、相談できる人が、いつでもいるのは心強く、私はサポートを重視することになりそうです。 サポートは「MFクラウド確定申告」と「やよいの青色申告オンライン」がメールとチャットに加えて、電話で対応してくれます。
どのクラウド会計ソフトを選ぶべきか?
この企画では、freee、マネーフォワード、弥生の順に取材しました。freeeの取材を終えたとき、わかりやすい操作性やアプリの高機能ぶりに惹かれ、「もうこれで決まりだ」と心に決めていました。しかし、マネーフォワードの取材を終えたときには、「『MFクラウド確定申告』のAIが最強なのでは?」と感じ、心が動きました。最後の弥生の取材では、「やよいの青色申告オンライン」の領収書取り込み精度に心が揺れました。 私が一番重視している機能は、取引明細の自動取得とスマホによる領収書の読み込みです。STREAMEDの手書き領収書を読み込んでくれる機能は捨てがたいですが、月額利用料との相談になりそう。非常に悩ましい選択ですが、新しいスタートを切るためには、決断まであと3日しかありません。 どのクラウド会計ソフトを選ぶべきか。冬休みの宿題にしていいですか? (取材・文:具志堅浩二)