センバツ高校野球 学法石川 直前の静岡合宿/下 先制と堅守で勝利狙う /福島
18日のセンバツ開幕を前に静岡県沼津市で合宿を張っていた学法石川は6日、飛龍(静岡)との練習試合で、持ち前の泥臭い攻撃力を発揮して、4―3で競り勝った。厳しい戦いをものにした学石ナインは「甲子園でも粘り強い野球で1戦でも多く勝利したい」と充実した表情だった。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 初回から「学石らしい泥臭い攻撃」を見せ、先制に成功した。1番の渡辺大世(2年)が敵失で出塁すると、福尾遥真(2年)がしぶとく内野安打で続いた。3番の岸波瑠空(りく)(2年)はきっちり犠打を決め、佐藤辿柊(てんしゅう)(2年)は四球を選んで、1死満塁の好機を作り出した。 続く小沢陸蒔(りくじ)(2年)は二塁前に転がし、その間に三塁走者の渡辺大が生還して先制。相手の暴投でも1点を加えた。主将の小宅善叶(おやけよしと)(2年)は「何としてでも先制点を取ると試合に臨んでいた。甲子園でも先制することが勝利の条件になるはず」としてやったりだ。 投げては先発の大友瑠(るい)(2年)の変化球が低めに決まり、直球は最速136キロを記録。三回には2者連続三振を奪うなど3回を投げて無失点、4奪三振と上々の出来。大友は「変化球でカウントを取ることができたのが良かった。調子は上がってきている」と手応えを語る。 「他の投手とはタイプが違う投球ができる」と佐々木順一朗監督が甲子園での登板を期待する小宅も五回にマウンドへ。いきなり3連打を浴び無死満塁のピンチを招いたが、左翼手の渡辺大の好返球もあって後続を断ち、無失点で切り抜けた。小宅は「野手の協力もあって抑えられた。守備の連携が良くなってきた証拠」と喜ぶ。 約3カ月ぶりの実戦となった2日の合宿初戦は、投手陣が打ち込まれた上に野手も動きが硬く、0―9で敗れた。選手たちはその夜から毎晩、ミーティングを開き、「自分たちは強くないし、なかなか得点もできない」と話し合った。同時に昨秋の東北大会を勝ち抜けた要因についても再確認した。「どんな形であっても点を取り、粘り強く守る」。合宿最終戦で体現した。 佐々木監督は「みんな動きも良くなってきたし、試合勘も取り戻してきたはず」と評価した。33年ぶりの晴れ舞台で躍動する準備は整った。【竹田直人】