銭湯に雑誌図書館…原宿「ハラカド」オープンまでの舞台裏
今回のテーマは、「原宿が変わる!~古くて新しい街づくり~」。 「100年に一度」の再開発が話題となっている渋谷。その隣の町・原宿でも、新たな街づくりが進められている。 4月17日(水)に開業した大型商業施設「ハラカド」には、若者の街・原宿には似つかわしくない、銭湯や雑誌の専門店などが並ぶ。時代に逆行するかのような計画を主導するのは「東急不動産」だ。 新たな歴史を生み出そうと始まったプロジェクトを通して、令和時代の街づくりを見ていく。 【動画】原宿「ハラカド」オープンまでの舞台裏に密着
原宿のど真ん中にできる商業施設。その目玉は銭湯! 老舗銭湯の3代目が挑む
渋谷駅周辺は、世界的な企業が次々と進出し、ここ数年でガラリと姿を変えた。その再開発を担う「東急不動産」は、原宿の再開発にも力を入れている。 明治神宮へと続く表参道と明治通りが交わる神宮前交差点。その角に、去年12月、ガラス張りの建物「ハラカド」が姿を現した。 「ハラカド」は、地上7階、地下1階の商業施設。飲食店はもとより、ラジオ局やデザインの専門学校が、地下1階には銭湯も。交差点に面した見晴らしのいい場所は、雑誌専門の図書館になる。
「ハラカド」の立ち上げから関わってきた「東急不動産」プロジェクト推進部・池田祐一さんは、「わざわざ都心に来て買い物をするという消費の流れは、確実に戻ってこないと思っている。このエリアに本当に必要な施設を作る。原宿は、商業地域と住宅街が隣接している日本でも特殊な場所だと思っている」と話す。 「ハラカド」は、原宿に来る買い物客や観光客だけでなく、この街で働く人や住民もターゲットにしているのだ。
1980年代は歩行者天国(ホコ天)によって「タケノコ族」が誕生し、竹下通りにはタレントショップが次々とオープン。修学旅行生など、日本中から若者が押し寄せる人気の街になっていった。2000年代以降は、「KAWAII」をキーワードにした文化が、海外の注目を集めることに。2009年には「フォーエバー21」がオープンし、多くのファストファッションブランドがこの街に進出した。 いつの時代も注目を集めてきた原宿だが、池田さんは「街のパワーが弱くなってきている」とみていた。 渋谷は100年に一度の再開発で、高層ビルの街に。新宿は「東急歌舞伎町タワー」が話題になるなど、エンタメの街へと変貌。その強力な2つの街に挟まれた、原宿…。 池田さんは、「原宿・神宮前の街のパワーをもう一度取り戻せるような施設を、街と一緒につくっていきたい」と意気込む。