【MotoGP】ドゥカティ「マルティンはファクトリーチームにふさわしい」と認める。しかしバスティアニーニとの入れ替えは”アンフェア”
ドゥカティの上層部は、2023年に大活躍したホルヘ・マルティン(プラマック)の力をファクトリーチーム入りにふさわしいものだと認めつつも、今エネア・バスティアニーニと交代させることはアンフェアだと語った。 【ギャラリー】2024年に向けて本格始動! MotoGPバレンシアテスト MotoGPの2023年シーズンは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤとプラマックのマルティンによる激しいタイトル争いが繰り広げられた。 バニャイヤは中盤戦でポイント差を大きく詰められてしまい、最終戦までタイトル決定が持ち越された。その最終戦ではマルティンが決勝で転倒し、バニャイヤの2連覇が決まったが、マルティンの奮闘が今シーズンのハイライトのひとつだったことは間違いない。 マルティンは2023年にチャンピオンになっていた場合、ファクトリーチームへの昇格が決まっていたと明かしている。しかし結果的にそれは達成できなかったため、来シーズンもプラマックに残留することになる。ただマルティンは、この結果でファクトリーチームにふさわしいことが証明できないというのなら、ファクトリー入りすることは絶対にないだろうとも語っていた。 そしてドゥカティ側も、マルティンがファクトリーチーム加入に値するだけの力を示したと考えているようだ。 ドゥカティのゼネラルマネージャーであるジジ・ダッリーニャに、マルティンに対する見解について聞くと「間違いなくその意見には同意する」と語った。 「彼は今年素晴らしい仕事をした。ファクトリーチームに値するというのは間違いない。だが契約がいくつか結ばれており、変更ができないことも多くある」 スポーティングディレクターのパオロ・チアバッティもマルティンの実力を認めており、バニャイヤとマルティンの組み合わせが、今考えられる最強の組み合わせだと考えている。しかし2024年にマルティンを昇格させることは、怪我の影響を受けて苦しいシーズンとなったバスティアニーニに対して不公平だとも語る。 「話としては、たしかにマルティンはファクトリーバイクに値するし、彼はファクトリーバイクを手にしている」 チアバッティはそう語った。 「彼は最終的にタイトル獲得に非常に近づくなど、サテライトチームでもトップを争うことは可能だと証明できた」 「そしてバスティアニーニが2022年のリザルトによって、ファクトリーチームへと加入したことも明らかなことだ」 「しかしバスティアニーニとマルティンを交代させることはフェアではないと我々は考えている」 「確かに現時点では、我々にとっての最強チームはマルティンとバニャイヤの組み合わせだ。しかし何故バスティアニーニがファクトリーチームにふさわしいという我々の決定を覆す必要があるのだろうか」 「彼は開幕戦での非常に残念なアクシデントによって、シーズンを台無しにした。だから我々は彼にまたチャンスを与えるのがフェアだと考えている」 バスティアニーニはチアバッティの語るように開幕戦ポルトガルGPのスプリントレースで転倒すると、肩を負傷。5戦の欠場を強いられてしまった。また9月のカタルニアGPでも転倒して怪我を負い、さらに3戦を欠場しなくてはならないなど、シーズンを通して怪我にかなり苦しめられた。 怪我によって2023年型マシンへの適応にも遅れが出たことから、バスティアニーニは苦戦。しかし終盤戦で改善の糸口をつかみ、第18戦マレーシアGPでは2023年初優勝を達成している。
Lewis Duncan