世界観ぶち壊し…大失敗・大不評のゲーム実写化映画(4)衝撃の駄作続編…マヌケな雰囲気で大コケ
優れたゲームを輩出することで、世界的にそのブランド力が認められている日本。今回は、日本発の名作ゲームを映画化したものの、ゲームファンから不評を呼んだ失敗作を厳選してご紹介する。原作の雰囲気をぶち壊した作品からストーリーが捻じ曲げられてしまった作品などをセレクト。観ていて思わずリセットボタンを押したくなる作品ばかりを揃えた。今回は第4回。(文・ZAKKY)
『サイレントヒル リベレーション3D』(2012)
監督:マイケル・J・バセット 脚本:マイケル・J・バセット 出演:アデレイド・クレメンス、キット・ハリントン、ショーン・ビーン、キャリー=アン・モス、マルコム・マクダウェル、マーティン・ドノヴァン、ラダ・ミッチェル、デボラ・カーラ・アンガー 【作品内容】 18歳の誕生日を迎える少女ヘザーは「サイレントヒル」という街の悪夢に悩まされながら、父親ハリーと共に各地を転々とし逃げるような生活を続けてきた。ある日、ハリーは「サイレントヒルに来い」との血文字を残し行方不明となる。ヘザーはハリーを助けるため、転校生の少年ヴィンセントと共に呪われた街サイレントヒルへ向かうのであった。 【注目ポイント】 『サイレントヒル』は、1999年にコナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)から発売されたホラーゲーム。2006年にはフランス出身の映画監督・ クリストフ・ガンズによって映画化され、スマッシュヒットを記録した。 本作は、映画『サイレントヒル』の続編であり、ホラーゲーム『サイレントヒル3』を元にした実写化作品だ。こちらの作品、映画館に駆け付けたファンの中には「あれ? 前作と雰囲気が違うぞ!?」と思った人も少なくなかったのではないだろうか。 前作との雰囲気の違いは、監督交代の影響が大きい。クリストフ・ガンズが監督をした一作目における、ゲームの世界観を忠実に再現した、冷たく暗い雰囲気はどこへやら、マイケル・J・バセットが監督した続編は緊張感を欠いた、間の抜けた作品となっている。 1作目のエンディングは、救いのない恐怖感とカタルシスを残すなど、秀逸であった。観る者はゲームが元ネタであること忘れ、優れたホラー映画として堪能した。それに比べて本作は、ストーリーは説明的で、迫りくる恐怖も感じられない。3D映画として公開されたが、ビジュアル面よりもシナリオ面を練ることに注力した方が良かったのではないかと、ついつい小言をかけたくなってしまう。
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