玉木氏の騒動が振ってわいた国民民主と第2次石破政権の距離 人羅格
むしろ課題は148議席を獲得しながら、国民民主党人気に埋没してしまった現状だろう。 衆院選での追い風は限定的だった。東京の小選挙区は自公系候補との直接対決で6敗した。区割り変更への対応遅れや、ネットの情報発信が後手に回り「昭和の選挙」をしていた候補も散見された。ネット活用の怠慢を放置すれば、参院選は到底乗り切れない。 参院選の勝敗は32ある改選数1の「1人区」の動向で決まる。立憲が存在感を発揮できなければ野党陣営も結集しない。予算委員長など12の委員長・審査会長を野党側が掌握した衆院で変化をアピールできるかが試される。 ひ弱な自民の反石破勢力、現状が居心地よい国民民主、必ずしも倒閣がプラスにならない立憲……。この構図が崩れない限り、自民党内の一部の期待に反し、首相交代の機運は高まらない。米トランプ政権の復活を控える中、首相の綱渡り戦略が問われている。 (人羅格〈ひとら・ただし〉毎日新聞論説委員)