高齢者のパワー詰まった旨メニュー 手作り味噌をきっかけに、雑談からあれよあれよと食堂オープン
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、静岡県焼津市にあるBLGやいづ(デイサービスごんべえ)からの報告です。 【本編】画像を見る メンバーさんと一緒に考えたのれんとメニュー
こんにちは! BLGやいづの河原﨑です。 以前の連載記事で『手作りみそ作り』の報告をさせていただきました。 今回は、『その後』についてお伝えします。 「みそが出来たら何に使いましょうかねえ」とメンバーさん達と話をしていたら 「もろきゅういいね!」 「みそ汁もいいけど具だくさんの豚汁もいいね!」 「それならおにぎりも欲しいね」 と、大盛り上がり。 「お店できちゃうね~なんちゃって(笑)」 「じゃ~やってみる?」 と、みそを使った料理を出すお店の開店に向けて準備を進めることになりました。 みそが無事出来上がると、メニューを決め何度も何度も調理の練習をしました。 メニューは、おにぎり、豚汁、卵焼き、きゅうりの漬物、ほうれん草のごまあえにしてみました。 料理ができあがると、まずはデイサービスの仲間たちに味見?毒味?をしてもらったところなかなかの高評価。 皆さん「おいしいよ~」と完食してくださり、調理に入ったメンバーさんたちも良い意味でビックリ。とっても喜んでいました。 何度も練習を重ね、本番に向けての準備を本格化! お店の名前は 「単純だけど、ごんべえ食堂が分かりやすいよね!」 と割と悩まず決定(笑)。 一方で、お店の入り口にかけるのれんの色はかなり悩みました。 メンバーさんに何色か提案してもらうなかで、あるメンバーさんが 「赤は赤字になったら困るからやめよう」 と発言。 スタッフの私たちはそこまで考えてなかったので「おお~」と納得。 最終的に、オレンジ色になりました。 のれんのデザインもメンバーさんたちと一緒に考えて決めました。 なかなかいい仕上がりになりました。 宣伝のため皆で近所にチラシ配りに行ったり、玄関先で会えたご近所さんに直接営業したりと皆様ノリノリでした。 4月21日(日)いざ本番‼ お客様用に50食。その他メンバーさんと、ボランティアさん、職員の分も合わせて約80食を用意していましたが、なんと‼ 後半になると、米が足りなくなり、お客様にはおにぎり無しの豚汁とおかずのみの提供になってしまうほどの大盛況。 かろうじて豚汁は残ったのでメンバーさんと私たちの昼食は豚汁とお弁当になりました。 うれしいような悲しいような複雑な気分でしたが、たくさんのお客様が来てくれたにもかかわらず、メンバーさんたちは疲れも見せず「たくさんの人が来てくれて良かったね~」と、とっても良い笑顔でした。 その後も毎月1回、ごんべえ食堂は休まず営業しております。 仕入れも皆で買い物しています。 仕入れ中のスーパーでは、野菜の値段の高さにビックリ‼ 「野菜って今こんなに高いんだね~」 業務スーパーに行ってみたら、 「こんな大きいのが売ってるんだね~」 冷凍食品をみて 「便利なものが増えたね~」 などなど、毎回楽しく買い物してます。 メニューは豚汁、おにぎり、卵焼きは変わらず、他のおかずは毎回みんなで考えています。毎回お客様にはアンケートを書いてもらっていて、なるべく期待に応えられるよう頑張っています。 『おにぎりの具を選びたい』『大盛りで食べたい』『カレーライスが食べたい』『ハンバーグも食べてみたい』等々たくさんのリクエストをいただいた中で、おにぎりの具を選んでもらうのと、カレーライスをメニューに追加しちゃいました~。 メンバーさんたちは、ごんべえ食堂の日はいつもより早く来てくれて調理してくれています。自宅からmyエプロンを持ってくる人もいるんですよ~。皆さん気合入ってます‼ ベテラン主婦の皆様は手際のいい包丁さばきでサクサクと野菜のカットをして炒めたり、あえ物や漬物を作ったりと、お母さんだ~って感じでした。 皆さん黙々と作業していますが時々 「あ~! ニンジン飛んだ~」 「大丈夫か~」 「大丈夫だ~。活きがいいからな~」 なんて冗談を言いながら楽しく和気あいあいと仕込みをしています。 2回目からは初回ほどのお客様は来ていませんが毎回来て下さる方もいることを励みに皆で頑張っていきます。
100BLG