父を甲子園へ 東海大相模・金本貫汰が果たした約束「少しは恩返しできたかな」
「全国高校野球選手権・準々決勝、関東第一2-1東海大相模」(19日、甲子園球場) 父の夢を背負い、金本貫汰内野手(2年)は最後まで戦い抜いた。しかし九回2死一、二塁で左飛に倒れ、ゲームセット。「僕が打てず試合を終わらせてしまった」と悔し涙に暮れた。 親元を離れ寮生活。小学校時代のチームの監督として野球の楽しさを教えてくれた父・猛さん(48)からの「楽しめ」という言葉に支えられている。猛さんは兵庫・育英の1994年度主将だった。同校は前年夏に全国制覇したが、猛さんの代は兵庫大会敗退。甲子園開会式は1人で行進し、優勝旗を返還した。それから30年。幼い頃から「お父さんを甲子園に連れて行く」と言い続けた金本は、東海大相模の4番として約束を果たした。 二回、先頭で打席に立ち、チーム初安打となる内野安打。しかしあと1点届かず、15年以来の4強入りを逃した。それでもアルプススタンドの猛さんは「息子が連れてきてくれた甲子園は、自分が高校生の時に見た景色と全然違う。我が子のようで我が子でないみたい」と幸せをかみしめた。金本は「少しは恩返しできたかな。日本一の目標を叶えるためにあと2回、帰ってくる」と誓った。 ◆金本 貫汰(かねもと・かんた)2007年8月18日生まれ、17歳。181センチ、83キロ。兵庫県出身。右投げ左打ち。小学2年から「尾浜シャークス」で野球を始める。大成中時代は「関メディベースボール学院」で外野手としてプレー。U-15日本代表選出。東海大相模では1年春からベンチ入り。