「不易流行」やっぱりランクル。ランドクルーザー250こそシリーズのど真ん中だ
70、300シリーズに新型250が加わったことで、ランドクルーザーシリーズが完成した。「原点回帰」を唱えて開発されたランドクルーザー250。その実力は如何に? TEXT:世良耕太(SERA Kota)PHOTO:長野達郎(NAGANO Tatsuo/ニューモデル速報)
本来の役割と使命に“原点回帰”したのが250
ランドクルーザー群の開発にまつわる話を聞いていたら、「不易流行」という四字熟語が思い浮かんだ。「不易」は時代の変化に関係なく、常に人を感動させる本来の姿。「流行」はその時代に応じた新しい表現だと辞書にある(角川必携国語辞典)。 1951年のBJ型に起源を持つランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として、信頼性・耐久性・悪路走破性を進化させて現在に至る。この、信頼性・耐久性・悪路走破性こそが「不易」の部分だろう。時代の変化に関係なく受け継いでいるこれらの性能をベースに、約170の国と地域で「人の生活を支えるクルマ」として、時代に応じた新しい機能を付加したのが現行モデルである。 その最新事例がランドクルーザー250(ニーゴーマル)だ。ランドクルーザーは役割と使命に基づき、ステーションワゴンとヘビーデューティー、ライトデューティーに枝分かれした。常にその時代の最新技術を投入し、キング・オブ4WDにも位置づけられる高級・豪華路線を行くのが、ステーションワゴンの300シリーズだ。 1960年にデビューした40シリーズの堅牢性を受け継ぎ、業務用途や過酷な環境での使用を主体とするヘビーデューティーモデルが70シリーズ。そして、高い悪路走破性をベースに快適性を付与し、多くの人の生活実用を支えるライトデューティーモデルが250シリーズである。 前身のランドクルーザー・プラド(150シリーズ)が高級・豪華路線に寄りすぎてしまった反省から、250の開発にあたっては軌道修正が行なわれた。この件について、ランドクルーザー群の開発責任者を務める森津圭太氏は次のように説明する。 「本来であれば人の生活を支えるべき生活実用モデルが、高級・豪華な方向にシフトしてしまったのかもしれません。今回、(250は)ランドクルーザーの中心として、本来の役割と使命に“原点回帰”させ、質実剛健なオフローダーへとゼロから作り直しました。そこで、ブランドの中心を担う意志を込めて、コンセプトは『ザ・ランドクルーザー』としました。ランドクルーザーの真ん中に回帰させることで、プラドのサブネームを取り、ランドクルーザー250として生まれ変わりました」 ランドクルーザー・プラドは90(1996年)、120(2002年)、150(2009年)と30刻みで進化を遂げてきた。2024年4月18日に発売された最新型は、180ではなく250。刻みの大きさは進化の大きさを表しているという。