堀米雄斗が見せた崖っぷちの意地、開心那は「メダル争いの中心」…パリで「メダルラッシュ」再現なるか
パリ五輪は26日で開幕まで1か月となり、アクションスポーツは日本代表がほぼ出そろった。23日までの五輪予選シリーズ(OQS)第2戦(ブダペスト)でスケートボード・ストリートの男女がいずれも表彰台を独占するなど、日本勢の強さが際立った。パリではメダルラッシュだった東京五輪の再現に期待が膨らむ。(井上敬雄、平地一紀)
スケボー ストリート 日の丸×6へ
OQSのハイライトはスケートボード男子ストリート。5月の第1戦(上海)で上位に進めず、五輪予選ランキングで日本勢5番手に後退した堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が崖っぷちで五輪初代王者の意地を見せた。
堀米は45秒間、自由に滑るランを元々苦手にしていたが、OQS決勝では構成を一新。1本目に90点台の高得点を出して一発技で競う得意なベストトリック(BT)につなげ、BT3本目に新技を決めて優勝。既に代表入りを確実にしていた14歳の小野寺吟雲(ぎんう)や白井空良(そら)(ムラサキスポーツ)に続き、五輪予選ランキングで日本勢の3番手に滑り込んでパリへの切符を手にした。
ランが必ず得点に採用される東京五輪後の新方式に対応できることを重圧のかかる試合で示し、堀米は手応え十分で本番に臨む。
東京五輪金の西矢椛(もみじ)や世界選手権女王の織田夢海(ゆめか)(いずれもサンリオ)といった実力者が相次いで脱落した女子ストリートは14歳の吉沢恋(ここ)がトップで制した。板を縦横同時に回す男子顔負けのトリックを新たに覚え、「自分を信じてやることが大切。1位を狙いたい」(吉沢)とOQSで大きな自信をつかんだ点は強みになる。
東京五輪銀のライッサ・レアウ(ブラジル)がライバルだが、勢いがある吉沢に加え、安定感が際立つ赤間凛音(りず)、東京五輪銅メダリストで経験豊富な中山楓奈(ふうな)(ムラサキスポーツ)も含め表彰台を狙えそうだ。
一方、女子パークはOQSを2戦連続で制した14歳の新星、アリサ・トルー(豪)と東京五輪銅メダルのスカイ・ブラウン(英)に前回銀メダリストで、パリ五輪予選ランキングをトップで通過した開心那(ひらきここな)(WHYDAH GROUP)がメダル争いの中心になりそうだ。