【JJドラマ部】新進気鋭のテレ東ドラマPに制作裏話を根掘り葉掘り聞いてみた|JJ
©「SHUT UP」製作委員会 「タイトルの『SHUT UP』(月曜23時06分~/テレビ東京系)には、身勝手な理由で女性たちの口を塞いできた社会に向かって、黙っていてほしいという制作サイドの気持ちを込めています。ドラマは最終回に向かって、大テーマでもある“性暴力”の問題に向かっていきますが、そこにも深く関連しています」 そう話すのは、テレビ東京・ドラマプロデューサーの本間かなみさん。彼女を囲むのは、元JJ編集長イマイズミと、ドラマオタクのコラムニスト小林久乃。今回、立場はまったく違っても、テレビドラマが大好きな3人が揃って鼎談を開催。テーマは、本間さんが手がける『SHUT UP』について。予定の時間を30分以上過ぎても終わることのないオタクトーク、一読の価値がございます!
ドラマはやっぱりキャスティングが命!
仁村紗和/田島由希役 ©「SHUT UP」製作委員会 小林久乃(以下、小林):『SHUT UP』を観て、気になったのは絶妙なキャスティングでした。主人公の田島由希役の仁村紗和さん! 彼女は朝ドラ『おちょやん』(2020年)でも印象に残ったし、『あなたのブツが、ここに』(2022年/ともにNHK総合)も良かったです。 本間かなみ(以下、本間):わあ、そう思ってもらえて良かった~。この作品は観ている誰かが当てはまるような、“当事者”がいる問題を題材にしたドラマなので、ただのエンタメとしての消費で終わらせたくなかったんです。そうなってくると真ん中に立つ人(主役)には、シリアスな芝居が必要になってくる。以前から、仁村さんの切実な心情表現をするときの演技が素敵だなって思っていたので、今回、真っ先にオファーしました。 小林:個人的に、サンミュージックさんから仁村さんを激プッシュされていたんですけど、さすが大手事務所が推すだけある逸材だなって思っていました。実際、ご本人はどんな感じの方なんですか? 本間:仁村さんはとても思慮深くて視野が広い。撮影現場でも、誰がどう思って、どう動いているかを全部見ていて、そのうえで自分がどう動けばうまくいくのかを常に考えている方です。 元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):堂々たる座長感ですね~。 本間:そうなんです。彼女が現場を引っ張ってくれました。(すでにクランクアップ済み) イマ:『SHUT UP』みたいな、貧困、売春、格差、復讐、性暴力をテーマにした作品だと、オファーを断る事務所もあったのでは? 本間:…実際ありました。でも、「性暴力と戦える作品にしたい。その上で貧困や格差など、“今を生きる痛み”みたいなものを描きたい」と力説したら、事務所さんが受けてくださって。その後、仁村さんご本人にも企画に込めている思いを伝えたら、彼女も同じように考えていただけたことが心強かったです。