１０月２７日投開票の衆議院議員選挙。シリーズ「宮城の選択」。各選挙区の候補者の選挙戦についてお伝えしていきます。 県の北部・宮城５区は、区割り変更の影響で旧４区から旧６区までの広いエリアが選挙区となり、宮城県内のほぼ半分を占める形となりました。 中嶋廉氏（共産・新） 「金権腐敗政治の大本にある企業献金、団体献金を一円も受け取らない。その全面禁止の先頭に立って頑張っている。日本共産党こそ不正を正す一番の力です」 日本共産党の新人・中嶋廉氏です。青森県むつ市出身の７１歳で、２０１５年の県議会議員選挙で初当選を果たし、１期４年務めました。選挙戦ではＳＮＳも駆使して支持拡大を狙います。 中嶋廉氏（共産・新） 「力いっぱい頑張ります。よろしくお願いします」 中嶋氏は選挙戦で、自民党派閥の政治資金収支報告書の不記載問題、いわゆる裏金問題を批判したうえで、脱原発、賃上げの実現などを訴えます。 中嶋廉氏（共産・新） 「政府による賃上げのやり方と中身が争点になっているんです。鍵を握っているのは中小企業の賃上げに政府がお金を出して応援するかどうか、それが今、争点になっているんです」 県内では立憲民主党と共産党が市民団体を介して「野党共闘」を構築。全国では「野党共闘」が崩れるところが数多くある中、中嶋氏は両党の協力関係を背景に支持拡大を訴えます。 中嶋廉氏（共産・新） 「新しい政治を作っていく選挙、そこに目を向けていただけないかということ。すごくやりがいとか手応えを感じながら、やれている選挙ですね」 自民党の前職、小野寺五典氏（６４）です。公示日の第一声で強調したのは「初心」です。 小野寺五典氏（自民・前） 「２７年前、この大崎岩出山で私は初めてこのたすきをかけ、マイクを持ちました。その時の思いと同じ、今日は初心に帰っての第一声となります」 これまでに８回の当選を数える小野寺氏は防衛大臣などを歴任してきました。１０月、石破新総裁誕生に伴い、党政調会長に就任。党幹部として物価高対策や農林水産業の振興、地方創生に取り組むと訴えます。 小野寺五典氏（自民・前） 「どういう政策を作ったら、どの予算を作ったら、私の地元の人たちが、この物価高、この過疎の問題、少しでも前を向いて元気になっていけるのか、それを形にしていきたい、そう思っています」 旧６区を中心に強固な地盤を持つ小野寺氏。政調会長に就任したことで選挙期間中、全国を飛び回って仲間たちの応援に入ります。 そのため、自身の選挙区に入るのは公示日のこの日だけの予定。「選挙区を守ってほしい」と支持者に訴えました。 小野寺五典氏（自民・前） 「今回の結果、それがその次の私のステップにつながります。そして地域の皆さんにご恩返しができる。その仕事がさらにできるようになります」 「がんばろーう！」 公示日に陣営の出陣式を行ったのは日本維新の会の新人・境恒春氏です。 境恒春氏（維新・新） 「この１２日間の戦いしっかりと駆け抜け、そして、勝利をもぎ取りたいと思います。皆さん、よろしくお願いします」 境氏は気仙沼市出身の４５歳で、これまでに県議会議員を３期１２年務めました。今回の選挙戦では、日本経済の再生、日本の外交力の強化、持続的な農業、水産業の振興を公約に掲げています。 境恒春氏（維新・新） 「愛する古里のために私は力を注ぎたい。皆さんとともに、皆さんとともにですよ、新しい時代を、新時代を切り開いていきたいと思います」 選挙戦の中で境氏は、２０１１年の東日本大震災で自身の事務所が流された経験にも触れながら、街頭などで有権者と対話を重ねていく考えです。 境恒春氏（維新・新） 「市民の皆さんの目線で選挙カーから降りて、皆さんと対話をして会話をして、そこからいろんなお声も聞いていきたい。とにかく対話を重視していきたいと思います。私は胸を借りるつもりで頑張ってまいりたい」 強固な地盤を持つ前職に、県議を務めた経験を持つ２人の新人が挑む宮城５区。衆議院議員選挙は１０月２７日に投開票されます。